ありがたいことに一華さんも誕生日のお祝いがしたいと言ってくれ、その流れで「うちにおいでよ」とお誘いを受けたのだ。


今は夕凪くんも一華さんのところに泊まってるみたいだから、運が良ければ会えるかもしれない。


そんな私が会いたいがための調子のいいことを考えながら、一華さんとの待ち合わせ場所である待鳥公園にたどり着く。


住宅街は入り組んでいるのでわかりづらいため、近くの待鳥公園から家まで連れて行ってもらえることになっていた。


ミーンミーン…と、蝉の鳴き声が聞こえる。
何人かの子どもたちが遊具で遊んでいる。


すると、耳に飛び込む音の中。ふと、聞き慣れた人物の声がするような気がした。


私はその声の方角へ、反射的に顔を向ける。


(夕凪くん…と、誰……?)


公園の奥の脇道にいたのは、夕凪くん。そして彼の前には知らない女性が立っていた。