「放課後、誕生日デートしておいで」


「…っ!?」


「あっちも『会いてぇ……』かもしれんから、会っといで」


(今のは夕凪くんのモノマネかな…?)


渋めの顔を作って言った『会いてぇ……』が、絶妙に似ている気がした。


「で、でも、どうして……?」


お互いにおしゃれで目立つ存在だし、今はSNSで誰とでも友達になれる、という話だ。
だから私が思っている以上に連絡を取り合うのは容易いことなのかもしれない。


「あぁ、向こうに助太刀猿……いや、協力者ができたの。つまり何でも向こうの情報は筒抜けってこと」


そう言って、アーーハッハッハッ、と高らかにすごい顔で笑っているまつりちゃん。
あまりよくわからないけど、まつりちゃんが楽しそうなら良かった……?


「ちゃんと優等生風に変装してきてもらうように頼んだから、安心してね」


(優等生……風?)


なんだかとんでもない誕生日になりそうな予感に、胸がドキドキしていた。