「ごめん、これって言わないほうがいいことだった……?」


「いや、いい……ただ、あいつに…、カメコに、会いてぇな……」


「…!」


思ったことがそのまま口に出る。
胸が締め付けられて、なぜかカメコに無性に会いたくなった。


これからしばらく送ってもらうから電車でも会えねぇし……
休日に会ったってのに、自分でも意味がわからない。


「……その、さ…、あんたにも色々あるんだろうけど、私はなちのことが大切だから、ちゃんと気持ち伝えてからにしてよ。色々、触ったりするのとかはさ……」


「…………は…、気持ち?」


「え…、まさか、気づいてないの……?無自覚で会いたいとかそういうこと言ってるわけ?」


顔が引き攣っていく雛形が何を言いたいのかわからず、俺は眉間にシワを寄せた。


「嘘でしょ……何で会いたくなるかとか、わかるじゃん」


「仁は蜜豆ちゃんと少し似てて、女の人が苦手なんだ。だからそういう感情は、まだよくわかってないのかもね」


そう湊人が笑顔で返す。