この不可解な現象に心当たりをのべるとしたら、『眼球を移植したから』と言わざるを得ない。

 そうとしか思えず、僕は眼球の提供者、ドナーについて調べはじめた。予想通り、ドナーは『木崎翼』だった。

 僕が手術を受けた前日に、『彼』は交通事故で亡くなっていた。