前世の記憶を思い出したなんて馬鹿正直に言えないしそもそも信じてもらえないと思う。


前世の記憶を検索してヒットしたものは正直実行に移していいものなのか……。



「お父様、私は……」



一かバチか。


ええいどうにでもなれ!



「お父様ともっと一緒にいたくて、その……」



「…………」


「結婚したらお父様にもっと会えなく、なっちゃう、から……」


「…………」



お父様は何を考えてるのかわからないけど腕を組んだまま静止している。


誰も何も答えない。


ただただ静かに時間だけが過ぎる。


やがてお父様はため息をひとつついた。


やっちまったああああ!!


言ってから気付いたけど、パパだーいすき!
みたいなかわいこぶりっこして許されるのって小さい子だけだよね!?


私十六歳!


キツい!


ムリ!


恥ずかしさで今にも逃げ出したい衝動を抑え下を向く。