伝説に散った龍Ⅲ




















燐の頬を、一筋雫が伝っていった。



先ほどまで飄々と笑っていた彼の面影が、色を失っていく。

































「あのとき、」



「うん」



「あのとき、何もできなくてごめん」



「…うん」



「エンちゃんの手を、引けなかった。“行かないで”って言えなかった」



「うん」






























燐が笑う。



泣いてるみたいに。


































































ごめん、エンちゃん────