伝説に散った龍Ⅲ











にへっと笑った燐。



私は笑えない。





「私はね、此処を離れて吸えなくなったよ」



「じゃあ逆だ、俺と」



「うん。なんか、息苦しくて」



「ふーん…」





それっきり黙ってしまう燐に私も何かを返すことなどせずにいれば少しの間沈黙が続いて。



私は笑った。





「あはは」





沈黙を破ったのは、私のバカみたいな笑い声だった。










































「何、情緒どっかに置いてきたの」



「変わんないなって、思って」





心の底からそう思う。





「私も燐も、変わんないね」


























“ふーん”で会話を終わらせる燐の癖。



私は知ってる。













その先に、彼の本心がつっかえていることを。