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誰に聞くというの?
今更!
「ココ何処の国の
何様の邸宅ですか❓」
なんて聞けるはずもない。
黙ってトラックに乗ってココに
着いたなんて怪しい人扱いに
なるのは分かってるし。

フローレンスが
ふと見るとホールのメイド服が
沢山山積みに置いてある。

「こ、これはチャーンス!」

フローレンスは右見て左見て
たくさん積んであるからもうすぐ
アルバイトの女の子が来るのだろう
と予想した。

誰もまだ居ないし
私は女の子だし慣れない厨房より
メイドが向いている。
アンナやメリーを見て育ったし

「うん大丈夫。」
1人、頷きながら
メイド服とコック服をチエーンジ!!


前髪を下げてフリフリのメイド服
髪は定番のポニーテール
「フフッ、アンナとメリーが見たら
!!ビックリするわネ。」
そう思うと楽しくなってきた。

姿見の鏡の前で中々様になってる
自分の姿にニッコリ
ふるふると腰を振って超ご機嫌
コック服より涼しいし着心地もいい。

ん?

キャッキャキャッキャ
と声がする。


「ゴオラァお前ら遅いぞ!!」
さっきの番人みたいなオッサンの
声がきこえる。

「保証人は!!」

えっと

フローレンスにした質問と同じ質問を繰り返している。

男の子達も何人かいて
厨房へと顎クイクイ

「私男の子と間違えられたのね」

ジーパンに帽子の中に髪突っ込んで
黒のリュックを担いでいたら
男の子だなぁ
成程

納得しつつ立ち尽くしていると
10人位の十代の女子が走り込む!
「あー間に合った」
ドドドドと来てパッパッパパパパと
メイド服を着用

オーダーメイドじゃないから
ブカブカだったり
フォックが閉めれなかったり
困った様子



見兼ねたフローレンスが
🪡と🧵を、ロッカーへいきリュック
から取り出して器用な手さばきで
なおしてあげた。

「すぐおわるから
任せて!」
フローレンスは手晴れた手つきで
補正したり、緩めたりパパパと
縫い上げていく。

「ありがとう、私アニー」
アニーは赤毛で
チリヂリヘアーをしていて
目が丸くてポチャカワ

「私カレン、私はローラよ。」
カレンは細身で鼻が高く美形
金髪の髪はサラサラで優しそう

ローラはストロベリーブラウン
どうやら髪は染めているらしかった。
目は丸くクルリとした
カワイイ系
後の何人かも皆キレイ系と
カワイイ系に別れていた。

どうやらココは時給が高い分
美人とカワイイ系だけ採用
しているらしい。


「あ、私フローレ」
と言いかけたところで

ꉂꉂ「はい、はい、はい
集まりなさい!」
どこにもいる様な厳しいメイド長
の掛け声でどこから来たのか
100人位のメイドが集まった。

婆メイドは見当たらない!
ベテランでも50位の女の人

アンナやメリー位のメイドは
見当たらない
杖をついた人は見当たらない。

「いいですか、皆さん厨房は
朝早くからお仕事されています。

.。oO(そうだよーコキ使われたしー)
フローレンスは心で呟いた。

私達、ホールは今からが
本番です。

(え?いまからなのか?ズルイ)
フローレンスは又又心で呟いた

今日は各国の王太子様、公爵家、
伯爵令嬢、各企業のご令嬢の
言わば、お見合いです。
御招待されていられる方々に
無礼の無い様にお願いいたします。」


‍\\は━━━━━━━い。////

の声の後会場から
けたたましいファンファーレが
響く、どうやら招待客の御到着らしい。


キドニービーンS国
マティス フォーレ様


オークラL国
チャールズ マルタン様


トゥーニップK国
リュカ ジラール様

バンブーシュートB国
次々と王太子の名前が呼ばれる。
偉そうにジャラジャラ胸に勲章を
下げたお付の人達も一緒にご入場

厨房も最後の追い込みの賑わいを
見せテンヤワンヤ、しっちゃか
めっちゃか人が出入りする。

自然と言葉も荒くなる

ドケ、引っ込め、早くシロ
緊張の糸がピーンと張る。


メイド達も緊張しながら
合図を待つ。

スピニッチールR国
ロレンツオ デュラン様

ゲッ!!
.。あれは、あの方は?
馬からヒッコケタ人だー
この間、横断歩道で会ったよね

隣国の見合い、イヤダンスパーティ
に出席?
身なりも良かったから
多分凄い所の出だと思ってたら
スピリニッチールR国の王太子?

とフローレンスはビックリした。
彼の手を掴み腰をしっかりと
握らせ馬を走らせた。
ヤバイ、無礼打ちに合うレベル
ゾ━━━━━━━ッ
今更ながら背筋が凍る。

ホースラデDーレーン国
リア、デイビーズ様

ウワッ
彼は・・あの人は?

背が高くウルフカット🐺
切れ長の涼しいオメメに
整ったオカオ

兄様の友達?
王太子?まさかのリア様だったの?

モテそう。
兄様が低姿勢なのも納得、納得!!
コッチも兄様にバレたら
大変。

それから次々に名前が呼ばれ
お嬢様も、行き遅れたお嬢様も
嫁入り先からリターンして帰って
こられた年増の
元お嬢様もキャーキャーキャー

招待客が全員揃った所で
今度は父親に連れられたご令嬢の
ご入場

まあ皆さんお綺麗
見知った顔もチラホラ

アアッ、あいつは
エリン ヴラウン・・アイツは

ツイこの前の舞踏会で・・・

.。オーホホホ!あなたが
フローレンス?あの貧乏子爵家の
大変ねぇ

あなたの御家には沢山の御老人を
抱えていらっしゃるのねぇー
あなたもお手伝いされてるのでしょう貧乏って大変ヨネ

皆様〜
近寄ると貧乏が移りますのよ
お気をつけあそばせー!

と私をなじり回りを
笑いの渦にした奴
クッソオー誰狙いだ?
(・ω・ = ・ω・)キョロキョロ

エリンのウルッとした目は矢印を
伝って行くと、
狼殿下と呼ばれる、リア デイビーズ
に向けられていた。
王太子らは国の軍服でご出席

胸にジャラジャラと勲章か?

エリンは
一際目立つシースルーのハイウエストで膝がチラチラ見え隠れ
後ろに流したフレアなドレス
色っぽく見えるし
いやらしくも無い!!

何回も打ち合わせして作った
ドレスに違いない。
Wー
金持ちのする事は、ワカンネー
あの日の私のドレスは母親の
古いドレスを引っ張り出しアンナと
メリーと必死で仕立て直した。
リサイクル、いえいえ言い方を
帰れば、言わば特注品

貧乏から脱出する為に皆の
期待を背負って16歳の時

パーティに出席した事がある

エリンの奴ぅー
「₍₍ ◟( ‾᷅д̈ ‾᷄ )クッソオー
貧乏子爵家のクセにぃー
と言われ、笑われた。
絶対エリンには見つかりたくない。
出稼ぎで働いていると知れたら
又変なウワサを立てられ馬鹿にされる。


然し、あの、うるうるトロトロな視線、ヤッパ、リア様狙いか!

エリンは今日、リアとの距離を
縮めようと決めていた。


その瞳を見てフローレンスは
理解した。
ココはバードックL国
王室の流れを汲む王室の長女
スカーレットの嫁ぎ先
ウィリアム ・スミスの邸宅だ。

バードックの国旗がきらびやかに
パタパタと並んでいる。
ここが何処かをこの会場に足を踏み入れて確信した。



スカーレットは随分歳を取り
85歳の高齢で夫のウィリアムも
87歳と言う高齢夫婦だった。

しかしマダマダ元気で2人は仲が
良かった。

「少し疲れたわね。」
スカーレットの声が、たまたま
ゴミ箱の袋を取り替えていた
フローレンスの
耳に入った。

「奥様、大丈夫ですか?」
年寄りの変化には
何よりも詳しいフローレンス
はスカーレットの顔色が少し
悪いのが気になった。

フローレンスは靴を脱がせて
足裏をマッサージし始めた
ふくらはぎまで念入りに。

「あーあ、気持ちいいわ
ありがとう。」
顔色も良くなったようで
フローレンスも
ホッと胸を撫で下ろした。

「今暖かい飲み物を持ってきます。」
フローレンスはそう言うと
スカーレットの元を離れた。


「大丈夫ですか?」
スカーレットの前に1人の若者が
膝をおりスカーレットを見上げた。

「ありがとうリア殿下
今メイドの子が足を丁寧に
もんでくれて疲れも取れたわ。
良いご令嬢はみつかった?」


「いえ、私にはもう決めた相手が
おりまして話が決まれば
ご挨拶に彼女を連れて伺います。」

スカーレットはパッと明るい顔を
みせて
「まあ。
そうなの‼️嬉しいわ
早く連れていらしてね。」


「奥様、お待たせしました。」
リアの背後から声をかける。

「まあ、ありがとうホットレモンね」

「はい。」
フローレンスはクスッと笑い
ホットレモンを
受け皿事スカーレットに手渡した。


リアは、じー っとマジマジと
フローレンスを見つめる。

.。oO;一_一・・・・・?
なんでだ?
なんで彼女がメイド?

フローレンスは視線に目をやると?
ゲッ、リア殿下ヤバ
と思いながらもニコニコしながら
平常心ビクッとしながらも顔に
出さない!

ゆっくりと頭を下げ、
しとやかに歩き
曲がり角を曲がり
ビュ━━━━━━━━━━っと
駆け出して逃げた。
彼が私を覚えてるはずナイしかし
もしかしてと言う事もアル!

「ちょっと、あなた!!」

「ハイッ」
フローレンスは振り向くと見るから厳しそうなオバサンいや、
正式に雇われている社員テキな
メイドが

「コレ持ってって」
と中庭の男女の集まりに
顎をクイクイ

ワイングラスが並んだトレイを
渡した。


オバンメイドは嫁イビリするかの
ようなチラチラとした笑みをうかべ
質問して来た。

「はい、飲み物はどっちからサーブ
する?(▽ω▽)ギラッ」
と厳しい目を向けながら聞いて来る
抜き打ちテストか?オバハン

と心で思いながら
「飲み物は右からサーブします。」


「(-ε´-チッ!知ってたんか!」

オバサンメイド、いやベテラン
メイドさんは一言そう呟くと

ワインをジャバジャバ継ぎ出した
「おっ、おつ、おっ」

想像を超える重さにトレイを
持ちながら両足でガシッと踏ん張る!
容赦なく重いトレイは
ブドウの芳醇な香りで、酒の飲めないフローレンスを酔いにいながう。

ヤベヤベヤベ酔っ払いそうになった。

「ワインをどうぞ」

庭で談笑している男女に勧める

パッパッパとワインのトレイは
軽くなった。

暗闇に酒は付き物
薄暗く玉の輿に乗るには最高の
シチュエーション!!

お妃候補の娘達は必死


ふと目をやると噴水⛲の所で
項垂れている男性を発見した
ワインは後二つ


フローレンスは彼の前に回り込み
膝を軽く折って
「ワインをお持ちしました。」
そう声をかけると彼は顔を上げた。

「あ、ああ」
そう言って顔をあげて
フローレンスをじっとみた。


フローレンスは
ゲッ!!ヤバ


月の光に照らされたロレンツオは
元気が無かった。

月の光を背に受けてフローレンスの
顔はうっすらとしかみえない。



「君は幾つだ。」

「じゅ、じゅ、17デッス」

「そ、そうか💦」

「30近い男は嫌か?」


「・・・・・は、はぁ分かりません
別に気にしませんが・・ 
真面目なお方でしたら・・・」


「そうか!!」


「ハイで、では!知っれいしまっ」


「君が彼女だったらな!」

「へ?
その言葉にクルリと振り返る。

「捕まえて檻に入れて出さない
厳重に🗝かけて・・・・・」
と俯きながらワインをチビッと飲んだかなり酔っている様子

「あ、あのぉー
そんなに悪い人なのですか?
その人?」


「ああ、大罪人だ!!
俺をこんなに悩ませて、
苦しませた。
捕まえようにも捕まえられぬ。」


エット・・・ポリポリ
何処の誰の話じゃい・・

「そんな話、今日はお忘れ下さい
今日のご令嬢達は皆様お綺麗で
お淑やかでいらっしゃいます。」


「ハァーあんな、可愛らしい
女性は居ない、君には分からない
グビグビ」

「あ、あのぉー
お酒は楽しく飲む物で・・・」


スックと立ち
ロレンツォはフローレンスを
抱きしめた。

「あ、あのぉー!
私はメイドで・・・・
今日御招待されている
令嬢ではあるけど?ありません。」

でも



フローレンスはこんなに
憔悴した
彼が可哀想になり
つい彼の背中をなでた。

苺をつみに行った日出会った
この人はスピリニッチールR国の
ロレンツオ殿下だったのだ

あの日ロレンツオ様の馬を
勝手に乗り回したし、頼まれても
いないお節介とはいえ、殿下を
後ろに乗せて馬を走らせた。
彼の部下を呼ぶべきだったのでは?
考えれば考える程
ヤバイ

「ロレンツオ様
元気を出してください。」

ロレンツオの肩で呟いた。
サッサと逃げ出さないと
ヤバイゾォこりゃあー
と逃げるチャンスを伺っていた。

抱きしめられながら足だけ準備体操
駆け足ー始め!

イッチィニィ、イッチィニィ、ニィ



「君、私にもワインをくれないか」
突然低い声が聞こえロレンツオの
酔いを覚まさせた。

その声にロレンツオは目を開いた!

「リア」

「おや、これはこれはロレンツオ様じゃありませんか!」

リアはロレンツオの腕を掴み
フローレンスから引き離した。



ロレンツオは、リアに掴まれた
右手を振り落とし叫ぶ


「邪魔するな
この子は俺が連れ帰る
ワインならホラ👉あのババアから貰え」
ロレンツオはワインをトレイに
のせたメイドを指差し
リアを睨んで来た。
酒が回って口が悪くなる。

「ババア!
私の事?」

振り返るメイドさんは40代
まだ怒っていい年頃
キッ `ᾥ´ 


気にせず2人は会話する。

フローレンスの腕を掴みリアは
ロレンツオに言う。

「いや、このメイドは
ホースラデDーレーン国から
貸し出したメイドで
私のものです。
お返し願いたい。」

親友でありながら他人行儀の
作法

チッ!
「お前の国と、かかわり合うと
ろくな事が無い!」

「後で飲むぞリア」

そう言ってロレンツオは
舞踏会への会場へと足を延ばした。
月の光の影でロレンツォにフローレンスの顔は月影でぼんやりしか
見えていない酔いも手伝って
殆ど分からなかったのだ。