🦆52

「なんという・・・」
フローレンスのあからさまに
吹っ切れた姿にリアは唖然!

しかしカラスのカアカアカアが
バカカーア
バカアー
バカアーに
聞こえ我に帰る!


リアは、全力で疾走して
フローレンスを探す。

「居ねえ💢ハアハアハア
足ハアハアハア、速過ぎ🐾」キョロキョロ


クフッフローレンスは両手で口を押さえ
リアの必死さに声を出さずに笑った。


「まだまだこんなもんじゃ
許さないワ クフフ」
キョロ(*థ౪థ三థ౪థ*)キョロ

フローレンスはリアがバタバタと
走り探し回っている方向と違う方向へルルルンルルルン
スキップしながら帰って行った。



☀️🌱
夏の暑さを忘れたかのような
青空には風に揺らされたような
散り散りにちぎれたように線を
引く雲



もう秋なんだ、秋の始まりは
昨日の暑さを忘れさせて来る。


「どうしたカール珍しいな!
さては侯爵の地位に飽きて
城へ帰りたいとか言うなよ
もう騎士団長はお前の後輩
サイラスに決定して
仕事をこなしているんだからな!」



久々に城にやって来たカールは
苦笑い

「いえいえ滅相もない
私はリア殿下が御病気だと
聞き及び
何回か参りましたがハリー殿に
面会謝絶だと言われ
昨日、妹が会いに来たらしいでは
ありませんか!
ですので私もハリー殿にやっと
許可を得られ、ご尊顔を拝見しに
まいりました。」



「・・・ああぁ・あそうか!
忙しいのに悪かったな!」


「そうなんですよ、いやぁ、
妹の結婚が決まりそうで、私も
何やかや、たいへんです!」


「・・・け、結、結婚、婚
誰。誰レレの結、結コーン」

リアは咄嗟に落ち着きを無くし
声が裏返ってしまった。



「はい、妹です。
妹も殿下から許しを頂いたそうで
大変喜んで帰って参りましたが
殿下、ありがとうございます。

婚約破棄になったとはいえ
一応、国を司るお方なので
御報告がてら出て参じました。」


「ど、どこに、嫁ぐノ・・・ダ」



カールは耳をホジホジ
「は?なにか言われましたか?」


「は?👂なんでしょう?」



「・・・何処に嫁ぐのだ!」


「はい?」


「だから💢
何処の、誰に嫁ぐのかと
聞いておる!wggg ー💢」


「あ、ああぁ
でしたか〜

近くの農園の領主でモーリス家に
婿養子に入ってくれるらしく
両親も肩の荷が降りたと
喜んでおりました。
リア殿下に、感謝しておりました。」



「そんなんはどうでも良い💢
どんな男だ?」




「見掛けはあんまりですが
クマのように縦横デカく
働き者で中々優しい男で
なんせフローレンスを大事に
してくれそうな男なので‼️
私達も安堵しております。」



「フローレンスは
なんと言っている?」




「そりゃー
喜んでいますよ
なんせ貧乏子爵家に婿養子に来て
くれるし、資産はあるしで
それに
昨日殿下の後押しの気持ちを聞いて
吹っ切れた様子です。
いやぁまいりました。」

カールは額に生汗を流すリアを見て驚いたㅇ.ㅇ!
生汗って直ぐ生産出来るのか?
タラタラタラとリアの額は汗ビッショリ


「な、なんだと?
後押し、俺が?

し、式は?」


「はい、フローレンスは
明日でもと急いでいますが

相手の気が変わらぬうちにとか
申しますが
流石に・・・
急ぎ過ぎでワッハッハハハ焦りすぎて

笑えますなー

フローレンスも焦っているようで・・・ワハハ」

ワザとらしく長々とカールは話を
持ちかける。


実はこのクマのように縦横でかい
男はウィリアム、スミス家の使用人
リリアの彼氏なのだ

1週間後2人の挙式は決まっている。

小さな協会で式をあげスミス家の
ケニーの家の庭で屋敷の者達
全員でリリアの披露宴を
執り行う。

使用人の結婚式とは言え
スカーレットも祝うつもりでいる。
スミス夫妻には子供が授から
なかったせいもあり
2人は楽しみで仕方がない。



そうとは知らないリアは
ガクガクガクッ
膝から崩れ落ちた!


そんな様子を見てカールは未だ
フローレンスに気持ちがあるのだと
確信した。

リアを抱え上げ
カールはリアに話し掛けた。

「大丈夫でございますか?」
ヨッショヨッショとリアをキンキラキンのソファに座らせる。

「あっと!
申し訳ありません
こんな話つまりませんね
ワハハ私とした事が
さあて、私は帰ります
殿下もお元気な様子で安心
いたしましたー

今日フローレンスのドレスが
届く予定なので帰ります。
楽しみだなぁ」チラッ

カールは立膝を付き胸に手を当てた。

部屋を出るとカールはハリーを
呼びリアの事を頼んで帰って行った。


チラっと見るとリアはソファに
項垂れて座り動かない!


『フローレンスの言う通りに
したが、大丈夫か?』
ちょっと不安になるが・・・
まぁイイか!」
少し不安気に振り返る。
カールが去ったリアの自室では
グニャリとしたリアが寝込んで
いた。


一方リリアの結婚式も楽しみだったが、パーティで着るフローレンスの
ドレスもケニーが選んでくれた
生地は昔から花嫁さんは白なので白は外すのが常識

フローレンスは薄いピンクで胸が鎖骨まで開いた小花を散りばめた
ノースリーブで可愛らしい
アンナとメリーの手作り、ここは
外せない。

ケニーが特注でと言ったら
フローレンスが凄い腕利きがいると
アンナとメリーを連れて来た。
友達の少ないケニーは直ぐ
アンナとメリーと仲良くなり
ケニーも2人の手伝いをした。



10、20、30は縦社会だが
60、70、80は同期の様なもの
みんなアッチの雲の世界に向かって
歩く同世代
仲良し仲良し!
しかし
90を超えると匠な尊敬
スカーレットもそんな尊敬な
時代に突入する年頃



リアはベットに寝転び空を見る
青々とした空に鱗雲が連なる
飛行機雲が一直線に伸びる✈


「空は広い」
ポッリとつぶやくリアにハリーは
振り返りクククと笑う。

んんんっコホン
「殿下フローレンス様の挙式迄
あと2日ですね
スミス家で披露宴があるようで
スカーレット様も毎日
大忙しの御様子ですよ。」


「ああ」
気の無い返事に

「お祝い金は送って置きました
薔薇の花束も添えました。
ああ、そうでした(チラッ⚭-⚭ )
メッセージも入れました。」

気のない素振りのリアの耳がピクリ

「なんとメッセージを送っ
たのだ?」

弱々しい声でリアが呟く


「お二人の幸せを願う
末永くお幸せに・・・だった
と思います。」



「・・・願う?末永く?俺が? 」


「ハイ‼️勿論で御座います。」
ハリーは元気良く応えた!


リアは何か物思いにふけりその日は
それ以上何も話さず何も口にせず
眠れもしない夜を 明かした
🌙*.。★*゚。


そして、明日がいよいよやって来る!

リアは落ち着かない、明日になれば
フローレンスは嫁に行く

嫁に行く‼️



「いよいよ明日でございますね」

ハリーが明るい声を出す
リアは睨みを効かせハリーを
睨む!ಠ_ಠ💢かなりご機嫌ナナメ

少しは効き目があったかとハリーは
胸をなでおろした。

午後になるとベットに寝たかと
思えばウロウロ
かと思えばイライラ
かなり情緒不安定


「コーヒーをお持ちしました☕️」
リアは昨日も今日も何も口にしない

「殿下何か食べませんと
お体に障ります。」
そんなハリーの声も👂に届かない!




「フローレンス様がお好きなの
でしょう。」


「うん。」


「まだ充分間に合うと思います
御結婚され、籍を入れられたら
もう殿下は腑抜けのままですよ。」


「素直になられたら
いかがです?」


「もう手遅れだ!」


「明日披露宴のあとは
初夜ですね
体格もいい男と聞いております
お子様も直ぐ授かる事でしょう。」



ガバッ
ぬらぬらしていたリアは初夜と
聞いただけで落ち着きがなくなった
今更だか
嫉妬の怒りで顔真っ赤
初夜と聞いて奮起した。


「兵を集めろ━━━━━━━━━!」

「殿下、お止め下さい‼️
みっともない!
嫉妬に狂って何をされるおつもりか?」
ハリーは
一気攻め、を企むリアを必死
で抑える

「その男名をなんという?
調べろ、急げ」

「お待ち下さい
ウィリアム、スミス邸に乗り込む
おつもりか!」


「うるさい、分かっておるなら
口を出すな!フローレンスが
他の男に汚されるのは
我慢出来ない、サイラス、ルーカス誰かおらぬか!」

ハハ━━━━━━━━━━ッ
何事かと護衛隊長ルーカスが
飛んできた!


「なんでもありません
殿下が興奮されているだけです
医者を呼んでください!」

大男10人で押さえ込みリアを動け
なくして精神安定剤を打った
リアは気が触れた様に騒ぎ出し
薬が聞いたのかやっと静かに眠った。