🐓39

「眠ってる?」
リアがボソッと呟いた。


スカーレットは笑いを堪え
「ホント可愛いわ、口の回り
クッキーだらけよ😂
クスクスクッキーを
沢山食べて牛乳沢山飲んで
寝ているわ!」

フニャフニャとリアの腰が砕けた
安心したリアはソファーに
ドスンと座るとその反動で
ポチッと通話を切ってしまった。

あとは魂が抜けたようにソファーに
背を預けグニャリと眠ってしまった。


「あら電話が切れたわ」
スカーレットがまた電話を折り返す
と出ない、何回かかけ直すと
「もしもし」
やっと電話の向こうから声がした。

「あのねリア殿下」

「あ、すみません殿下は
眠ってしまわれましてえっと
どちら様でございますか?
私はハリーと申します。」


「まあ、ソッチも寝てしまわれたの?

お忙しいもの、仕方ないわね」
そういうとスカーレットは

「ハリー貴方も早くお眠りなさい
おつかれさまね。」
と優しい労いの言葉をかけて
電話を切った。

明日になれば分かる事だし良いわ
スカーレットはそう思っていた。




「リア様」
朝ホテルで朝食を取りに出向くと
色白でチョコレートブラウンの
ロングヘアで
ミスコンでぶっちぎり優勝する
くらいのスレンダー美人が
現れた。

リアは(° з°)~ピュ♪♪♪と心で
思ったが
口に出すことはしない!
品のない素振りはしない!

彼女はジーパンを履きフリルの
ついた7分袖の胸の谷間がチラと
見えるくらいのブラウスを
着ていた。
華奢な足首には煌びやかな
サンダルがみえた。


リアもジーパンをはいて黒いTシャッそこいらの若者と何ら変わりない
格好をしている。

「リア様、初めまして
グレースと申します。」

『・・・』
暫く呆然となったが

「あ、初めまして
パーティの招待状ありがとう
ございます。」


「いやだァ肩苦しい
こちらこそ、ようこそ
貴方の側近の方に
朝は街に出て食事を取ると聞いて
私も御一緒しょうと
出向いてまいりました。
美味しいお店にご案内いたします。
服装も揃えましたのよ」


そう言われてリアは断る事が
出来ずそれに美人に誘われ
デレ〜となりそうな顔を引き締める。

グレースは噂以上の美人だった。
色白でメリハリのある身体
本当に綺麗だ!


2人は顔バレしてるし
美男美女、歩くだけでも人目を引いた。

二人は帽子を深く被り五人くらいの
護衛を連れて歩く
勿論護衛も細マッチョの
高身長イケメン
余計に目立つ事に二人は気付か無い

時々グレースが忍びで行くと言う
サンドイッチが上手い店へと
歩く、ホテルから10分くらいの
所にあるカフェ朝早いと言ってもAM10:00





駅裏にある洒落たカフェは貸切
と店前に置かれたイーゼルに
書かれていた。




「あらー貸切?」
スカーレットは残念な声をあげた。

「大伯母様どうしました?」

「このカフェでお茶しょうと
早めに出て来たのにね残念
コーヒーが美味しくて珍しい
サンドイッチが沢山あるのよ」


「へぇー珍しいサンドイッチ?」
フローレンスはお腹は空いてなかっ
たが少し興味があった。

スカーレットは上品な薄ピンクの
スーツ白くなった髪はブラウンに
染めてイメチェン

フローレンスは髪をといてゆるふわ

ロングボーダーのTシャッに茶色い
パンッ身軽に動ける格好を
していた。

「へぇーどんな人が貸し切って
いるんだろう。
こんな朝っパチから
大伯母様、どんな方が朝から
貸切なのか興味あります
見てきますねー」

と好奇心旺盛な彼女はウズウズ
スカーレットは

「そう言われたら
そうねぇ、スグ帰って来てね
サンドイッチも美味しいけど
厚切りベーコンの入った
卵マフィンが食べたかったの!」

そう言うとスカーレットは車に
残念そうに戻って行った。

フローレンスは
カフェの中の見える窓際まで移動
然し誰もいない。
さすがにここにいたらあやしい奴

カフェの隣の小さな公園へ
移動してカフェを
覗き見る。


綺麗な赤い薔薇が生けてあるのが
見えた、
「ありゃ?まさかリアのママ」
そう宮殿に飾られているのと
同じ花があった。

◉︎ɷ◉︎ じーっとフローレンスは
見つめていると
ドヤドヤと数人入ってきた。

背の高いイケメンふうな男と
綺麗な彼女を残し他は
パパパといなくなった。

残ったのは仲良さそうな二名様
公園からその二人の姿はよく見えた!

二人は帽子を取り向かい合い
メニューを見ながら頭をくっつけ
楽しそうに見えた!


『ホウホウ』
フローレンスはその男女に釘付け
彼女はフワフワした髪をかきあげ
ながらリアを見つめる。
鼻もスッとして綺麗系

リアも彼女を見ながらメニュー
を指さす。

フローレンスは外から見つめる

『ん?』

背後に違和感
いつの間にかそこにいたのは
フローレンスだけではなく
公園を利用して走るランナーや
犬の散歩をする
早起き集団とでも言っておこう

その群衆が
「キャー、リア殿下ー≧◇≦
グレース王女ー 」
口々に叫び出した
パシャパシャパシャ連打で写真も取られ

「ヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッ♡」
の叫び声がアチコチから上がる。

リアもグレース王女とコッチを見て
にこやかに笑う。

リアが手を振るから野次馬の中でフローレンスも手を振り返した。


楽しそうなリアの顔が急に固まった

Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!

グレース王女がこの店を選んだ
のは朝の事だった。

朝、ボーミグラネトM国から
ハリーに誕生日パーティの
出席確認の電話があった、その時
リアもいて着替えの最中だった

「はい、勿論準備は出来ております、あと1時間したら殿下は
グラネト国のカフェに行く予定
ですが美味しい所を
教えて貰えませんか?」
とハリーが言うと
「わかりました😊」
と返事をして電話は切られた
その後、グレース王女が自ら
案内係を申し出たようだ

大きな一面ガラスで中が
見えるように設計され客の出入りが
分かるようになっている
グレース王女はソコを狙ったのだ
王女様はまっぽしリア狙い!


「ちょっと外を・・ 」
見に行って来ると言いかけて
リアが席を立ちかけた時
料理が運ばれてきた。

リアが慌ててもう一度
外を見るとフローレンスの姿は
消えていた。

グレース王女も気になって外を
見るが・・リアの急変した態度に
違和感しかない!


「どうしました?リア殿下」


そんな訳無い
フローレンスはスミス邸に
いるはずだ!
夫人が嘘を言うはずも無いハハハ
遂に幻影か?
フローレンスと離れて一日しか経っていないというのに

「いや、何でも有りませんよ」
今日は彼女の誕生日だ、不快に
させるような行動は
やめておこう。



「どうでしたか?
楽しかったですか?」

ホテルに戻った俺にハリーがすっ飛んできて聞いて
来た❗
リアは、ハリーを 見て呆れた顔で
言った。

「全く、これからは
余計な事するナ」
だいたい俺にはフローレンスが
いるし、誤解されたく無い‼️
と説教した。


ハリーは、
「しかし、あの年若さでは
民の者も納得するでしょうか?

グレース王女なら
皆大歓迎すると
思われませぬか?
お后様もわたくしと
同じ考えです。」



「じゃあハリーが結婚しろ」


「え・・!」

「ハリーがそんなに気に行って
るんだからハリーが結婚したらいいだろ!」


「そんな 、私はリア殿下の
お妃様として気に行っております。
私なんかじゃ役不足です。」


「じゃあ、もう口出しするな😠」

リアもグレースの綺麗さに揺れない
訳でもなかった!
しかしさっきの動揺した自分は
やはりフローレンスが好きだと
フローレンスを手放したくは無い!
と感じた。

あれ以来、心が落ちつかない!



時間は刻々と進みPM6時を回った。
そろそろパーティ会場へ向かう時間だ!


リアは軍服に着替え胸にジャラジャラと勲章を貼り付け
凛々しい男前の姿に変わった。

そしてパーティ会場に着くと
沢山の関係閣僚や大富豪、外国から
の沢山の招待客が来ている。


ファンファーレが高く鳴り響く
ホースラデDーレーン国
リア、デイビーズ殿下
御到着!

一斉にメディアが群がる
パシャパシャパシャパシャパシャパシャ

ギリギリの位置までメディアを入れるのか?リアは不思議だった
勿論護衛がパパパとリアを取り囲み
なんなく会場入りした。

会場には沢山の若者がいた。
みんなグレース王女狙いだろう。

キョロキョロと見回す
ロレンツオも呼ばれているハズ

するとロレンツオはもうグレース
王女といた!
俺もツカツカと王女に誕生日の
お祝いを伝えに行く‼️

パチッとロレンツオと目が合った。
ロレンツオは右手を上げて

「リアココだ」
と合図をして来た。


「ロレンツオ早かったな」

ロレンツオはグレース王女を見て
こんなに美人とは知らなかった
噂以上だ
な!リアもそう思うだろう。