🐓33

モーリスもカールもちょっと心配
ではあったが、殿下と言うお立場
上、個人で事は進められない事は
明らかだ、本人達のキモチは後回し
先ずは官僚達を納得させ、話を上に持って行かねばならない。


しかしモーリスには献上金
つまり婚家に差し出す金が無い💰
官僚云々納得するわけが無い!
しかも王家


半端な金額で納得されるワケがナイ!
無理無理無理無理ー
月賦でもクレカでも無理!
カールもモーリスも上手く行かない
方が子爵家の為とあらぬ方向に
考えるのは仕方ない事だ。


「では、申し上げます。」
フローレンスは凛とした姿で
立ち上がり

「ご覧の通りわたくしには
守るべき人が大勢います。
私の大事な人ばかり誰がかけても
なりません。

で、ハッキリ言いますと
記憶喪失したのであればコレ幸い
リア殿下とワタクシは
石と宝石程の違いがあります。
釣り合いません。
婚約していなかったのであれば
離れたが良いと考えます。
それにこのアンダーソン家を継ぐ
者もいません。



ワタクシが婿様を迎え後を継ぎ
この土地を守って行く所存です。
尚、長男である我が
兄様はリア殿下に無くてはならぬ
側近となりましたし
まさかぁーリア殿下が婿養子に
来るなど
有り得ません。デショ」www



フローレンスはリアをチラ

大慌てしたのはリア!

「な、!!なんと!」

その時モーリスもカールもリアへの助け舟は出せなかった。微妙
フローレンスが言うことは最も!

アンダーソン家を潰す事は・・・
先祖代々の土地を手放すのは・・・
とモーリスもカールも考えて
納得!


👏パンパン拍手
「ハイ‼️キマリ!解散」
フローレンスはニコニコと手を
叩いた。

「まて、まて、まて
フローレンスは私が嫌か?キライか?」
リアは拳をプルプルさせながら
赤い顔をして言った!


カールもモーリスもリアの慌て様にドン引き!!

屋敷の年寄り達もアタフタアタフタ

「お嬢様は気が強く
真っ直ぐなところがある。」


「長所であり短所だなぁ」

「そうそう」

「ハッキリ言ったらお咎め
があるカモ」
アチコチから囁くような話し声がした。

暗い空気がまんえんする中

「すみません、遅くなりました。」
明るい声が玄関に響いた。



ルーシが出迎えに向かうと正装の青いスーツの細身のミシェルが立つていた。




リビングではリアの説得が続いている。

「フローレンス、君は俺の何処を
嫌っている?ちゃんと直すから
言ってくれ!」


「⁉️」
フローレンスは・・・
。oO・・・そう言われても
顔は超イケメン
お育ちは良すぎるし
キライ?キライじゃないし・・
問題は・・・身分の差

「さ、先程申し上げました。
身分不相応にございます。」


「私は好きか?嫌いか?を
聞いている。
答えよフローレンス!」


「だから、記憶無いんですってバ。
今会ったリア様を好きか嫌いか
と聞かれても、答えられません。」



「ググググ」
リアはうねる様な声を出し黙って
しまった。


「そこ迄です、リア様」
ミシェルの声がリビング中に響く

そこにいた全員がミシェルに注目


4魔女は出来たら口出ししない
ギリギリ迄来て打つ手がない時
口を出す決まり
事の成り行きをじっと見守っていた。


「提案ですがフローレンス様は
まだ17歳でございます。

今、総務課に配属されておられ
ますがいかがでしょう
総務課を一旦お辞めになって
殿下の御身の回りをお世話する
殿下付きのメイドで花嫁修行
されましては・・」


ミシェルの一声でその場にいた
者達の顔がアッ…その手が
あったか!
と言う顔をした。
それは勿論フローレンスも

oO『リア殿下の側に居て
諦めさせるのもアリだ!!』
そう思った。


「あのぅ・・・」
とフローレンスが口を開いた時
4魔女がさえぎるように

「期間は一年としましょう
リア殿下の奥様として
お支え出来るようであれば
国母としてお迎えされる事を
おすすめ致します。
持参金はナシ、天下のリア様が
持参金など受け取れません。」


「あ、あのぅ!」
又フローレンスは聞きにくそうに
言った。

「何だ!.魔女の言う事は最も
持参金なんかでフローレンスは
諦めん。」
リアは眉間にシワを寄せながら
フローレンスを見た!


「いえ、じゃなくて花嫁修業でも
お給料って、出ますヨネ」
それを聞いたリアはガクッと項垂れて

「ウウウこだわるトコそこか!
だ、出す、その分の働きはしてくれ」
そう言った!

「あのぉ、もし上手く行かなかったら元の総務に戻してくれますよね。クビなんて事無いですよね!」
腰を低くしながらフローレンスは
聞いて見た。

「ぐぐぐ💢勿論だ!」

リアは、上手く行った時の事を聞いて欲しかった。

支度金は要らない!
フローレンスの必要な金品は
此方で揃える。
子爵家の援助
カールはスミス家の跡継ぎを命じ
子爵家はモーリーが亡くなった後
はスミス家の跡継ぎカールの
土地とする。

こんなに子爵家の事を考えて
いるのにフローレンスは・・・
何処吹く風!
グググ



「よし❗決まれば速攻我に
使えよ!フローレンス
私の後ろに乗れ!」


リアは席を立つとフローレンスの
手を握り繋いである馬小屋まで行った、リアの乗って来た手入れの行き届いた黒黒と光る馬は若々しくフローレンスの愛馬のマラとは違い足腰も筋肉質、マラは随分歳を取った馬だ
今や年寄りが散歩に引っ張り
連れ出すくらいヨロヨロ。
しかしフローレンスにとっては
愛しい馬だ。

マラのお陰で乗馬が出来た
マラのお陰で馬の気持ちが分かった。



長年子爵家に使えてくれた
愛情ある馬だ、感謝もある。
そんなジーさん馬をフローレンスは優しく撫でる

そんなマラを横目にリアはフローレンスを抱えあげ自分の馬に乗せた

あろう事かフローレンスが手網を握り飛び乗ったリアを乗せて

パシンパシン
馬の腹を蹴り颯爽と走り出した。

「久しぶりに思い切り走れるー」
フローレンスは、そんな嬉しそうな声を響かせた。

「な、なにっ!」
リアはビックリ仰天


「リア殿下しっかり掴まっててくだ
さ━━━━━━━━━━いョ」

ホイャー

フローレンスは又勢いよく走り出した馬の上で楽しそうに言った。

後を追うように雪崩出た年寄りや
スミス夫妻、モーリーにカール
ミシェル
4魔女さえポカーン

「稀に見るじゃじゃ馬娘」
と4魔女はつぶやいた。

しかし全員が頷くのは仕方が無い!
天下のリア殿下を差し置き
フローレンスは髪をなびかせ
馬を器用に走らせる。
デカイ、リアが後ろに掴まって
いるのだ。



「ウウウ乗馬なんか教えるんじゃ
無かった💧」

と密かに後悔するのはカール
戦い方を教え、体の鍛え方を教え
逃げ足の速さを重視して走らせ
馬の扱いを教え
じゃじゃ馬にしたのはカールかも
しれないと思ったからだ!



「こんな事なら
娘としての修行を怠りなく
躾けるべきだった。」

モーリスの呟きが耳元で聞こえた。
カールはそれを聞いて顔を上げた。


「Wwwすみません父上」



「謝るなカール
見て見ぬふりをした私も
悪い!」



「フローレンス、これから街中だ
危ないから変われ」


「え、なーに?」

「危ないからオレに手網を
よこせ!」


「え、聞こえ無い‼️」

「かせ!」
リアはフローレンスから手網を取り
あげた。

ゴチャゴチャ言うフローレンスを
バサッ
突然目の前がビロードの感触?
フローレンスをリアの上着の中にスッポリと収めた。
「ふがぶが、何ずるー!」

リアの上着のボタン穴から見えたのは本当に街中の風景だった
ゴツゴツ当たるリアの腹筋に
多少脳天が痛い!
シャッ越しにリアの体温を感じながら『マサカ結婚は、無いよね何歳
年上やねん』
フローレンスはリアの服の中で
そんな事を考えていた。


カッンカツンカッン
馬の蹄の音が後ろからも聞こえて
フローレンスが頭を上げると
ゴツンイタ
リアの顎にフローレンスは頭を突き上げた、
「あ!メンゴ」

不意打ちをくらったリアだったが
フローレンスは未だ子供だと思い直し「だ、大丈夫だ!」
とムカつく気持ちを抑え込んだ!


「殿下、大丈夫であられますか?」

フローレンスは直ぐその声にピンと来て
「兄様」
と叫ながらリアの第二ボタン
と第三ボタンを開け
ニョッキリと顔を出した。


城の裏門で待つていたのは

「フローレンス様?」

二人羽織のその姿にハリーはびっくりするやら呆れるやら・・・


「あんなに厳しく、
凛々しい殿下が・・

皆に一目置かれている殿下が・・

嬉しそうに二人羽織!」

な、なんということだ!