🐞21



「公爵様
どうされましたか?」
ミガンダ公爵の側近が窓に立ち
外を見つめるミガンダ公爵に
声をかける。


「フッ昔、取り逃した
黄色いカナリアを思い出して
おった。」


「そうですか、さぞかし
綺麗な鳥だったのでしょう。」

「ああ、山でクマに襲われた
と聞いておったが
最近、ウイリアムの家で行なわれた
跡取りの集まる見合いパーティで
よく似た鳥
いやソックリの鳥を見かけ
たんじゃ
ソロソロ、私に返して貰おうと
思っておる。」


「公爵様、お歳が
それに、あのウィリアム様の妹様
の、お話なら随分昔の話で
ございますよ。」


「ふおっふおっふおっ
まだ80じゃ
何を言っている、それに
返して貰うのは鳥の娘の方だ
可愛く、若く、(´థ౪థ)ウヒッ♪
ワシも若くなるマダマダ百迄
20年もある、メイドの姿を
していたがあれはルーシの子に
違いない。

他人が手垢を付けた鳥に用は無い
ワシが欲しいのは若い鳥じゃ
今度は羽を切って
飛べなくしてくれるワハッハッハ

どこの誰か調べておけ💢!」

80歳というのに傲慢な態度は
声にも力があり
逆らえるものでは無い

「・・承知致しました。」

ミガンダと歳の変わらない側近は
ややこしくならなければいいが・・
と頭を悩ませたが逆らえない。


「即急に調べて報告書を
もってこい💢
何処に隠れていたのじゃ
ワシを誑かしおって、タダで
済むと思うなよ
ウイリアム スミス!!💢」


ウイリアムを巻き込んだ騒動は
波紋を広げ怪しくなってきた。




「あら、嫌な風が吹いて来た
ケニー窓を閉めましょうね。」


ケニーも何となく胸騒ぎを
感じてしまった。
その夜からケニーもスカーレット
もラクサの花が咲くのを
心待ちにしていた、ピンクの花枝
に一縷の望みをかけたのだ!





ロレンツォとのお茶会☕️は
土曜日の午前中10時に
始まる事になった。

ホースラデDーレーン国の庭を
借り切って執り行われる。

普段入れない王室の庭は
チューリップの赤白黄色の可愛ら
しい花が沢山咲いて
ピンク紫、それにフリージァの
甘い香りに包まれている。

菜の花や薔薇、春を彩る花々が
咲き乱れ🦋や🐞虫などの昆虫も
🐝、🐛、🐜姿を見せていた。

フローレンスは白のノースリーブ
のニットセーター
長い髪はクルクル巻にして背中
まで落とした。
華奢なウエストをさらに絞る
ようなブルーなレーススカート
惜しげも無く白い肌が腕から
見える。

フローレンスがカールの
エスコートで王室の前に着いた
時、護衛に携わる者達は
フローレンスの愛らしさに
釘付けになり二人の方を見た。


「お、お兄様、私変?

皆様こちらを見てらして・・」


「いや、俺もびっくりしたくらい
フローレンス綺麗だ!
服も凄く似合っているよ。」


「そう?これ
メリーとアンナが急いで
作ってくれたのよ
聞いてビックリよ…
このスカート、居間のカーテン生地
よウフフ」
とフローレンスはスカートを
フルッとして見せたフフッ

「あ、ああ、あれか!
居間にかかってたやつかレース
カーテンか?なるほどなメリーの
提案でアンナが縫ったのか?
凄いな!」


「うん。
良く分かったね。
今頃窓半分見晴らしが
良くなってるわよ
だって急なお誘いなんだもん。
服は新調しなくちゃねウフッ」

「じゃあニットのノースリーブは?」

「ああコレ☝、庭師のボブの
帽子に穴開けたの!
ボブは昔から沢山帽子持ってる
じゃない。」


「ああ、ハゲ隠しの奴な!」


「そうそう、昔は頭もデカかったし
今は使ってないやつをもらったの」


「おれ、金、仕送りしてるよな
それ使えばいいのに‼️」


「ダメだよ
兄様のお金は使えないし
たったの2時間に大金は使えない」

「まあ似合ってるから
良いか!
しかし殿下が服を褒めても
カーテンとか、ボブのハゲ隠しの
帽子なんて言うなよ😟!」


「分かってます
兄様に恥はかかせません。」

フローレンスの柔らかい髪から
いい香りがする。

「香水くらいは身だしなみで
持っていたんだな!
ヤッパ、女の子だったか!」
カールは満足げに呟いた。

キョトンとしたフローレンスは
カールの👂耳元でコショコショ

「ヤダー兄様
これ柔軟剤よ、霧吹きで
アンナにふりかけて貰ったの」
エヘヘ

ナンダッテー!=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)!
「それも言うなよ💦

だいたい柔軟剤なんて家にあった
のか?」


「分かってますって。
アンナとメリーが街に買い物に
出た時に試供品で貰ってきてた
やつがあったんだー
超🙌ラッキー」


たった一回のお茶会に香水なんて
高級品買うか!!
とツッコミたかったが、項垂れた
兄様を見て抑えた。



「い、いいか!
先ずはリア殿下にお茶会の
招待のお礼に行くぞ
粗相の無いようにな!」

何回追いかけられたか分からない
ちゃんと顔をだして
リア殿下の前に出るのは二回目
┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡

「捕まる?」
咄嗟に呟いたその言葉にカールは?
何の事か訳分からなかった。

でかいドアの前に立つ
┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡
フローレンスは違う意味での
┣¨‡┣¨‡

そんな妹を見て緊張しているな
とカールはクスッと笑った。

フローレンスの勘違いで捕まる心配でバクバク緊張してる事は
カールは知るわけも無い!

緊張するのは当たり前と思っていた
しかしフローレンスの🎯当たり前は
全く、全然、カールの思う事とは
及びもしない違う緊張‼️


「カールです、妹を連れて
ご挨拶にまいりました。」


「入れ!」

高いデカイ、ドアが両方から開いた

椅子に座り脚を組んだ男性が
テカった黒いスーツにワインカラーのネクタイを背中に回しかけて後ろ姿のままコーヒーを飲んでいた。

フッと笑う息遣いが聞こえムッとしたが
フローレンスは気を取り直し
マニュアル通りの挨拶をする。

「カール アンダーソンの妹
フローレンスと申します
今日は御招待まことに有難う
ございます。」

チラっと興味無さそうにリアが
振り返りフローレンスを見た
フローレンスは頭を下げたままだ

一呼吸置いてリアは又振り返り
コーヒーを飲む、リアは
フローレンスには全く興味が無い
と言わんばかりの対応だ。

「ロレンツオに気にいられる
ように頑張ってくれ」
とフローレンスには何の事か
サッパリ分からない事を彼は言った。

「では、お連れいたします。」

フローレンスの前に礼儀正しく
案内係が立ち
フローレンスを連れ出した。

「では、参りましょう。」

「はい。
リア殿下失礼いたします。」

フローレンスは頭を深く下げた。

リアは後ろ姿を追うでも無く
座ったままでいた。


リアがコーヒーを口にした時
歓声が聞こえた👂

「カール様、ホントに美しい
妹様ですね。」

何時もスッピンでも目を引くほど
可愛らしいフローレンスが
バッチリ化粧をしているのだ
それは可愛らしいを通り越して
美しく見えるのは当たり前かも
しれない。


リアはパソコンの手を止め
「そんなに美人か?」
リアは護衛に聞いてみた!

「ご覧にならなかったので?
凄い美人でしたよ。」


「そ、そうか、ま、いいか!」
ロレンツォの心を掴んでくれる
程美人なら好都合とリアは
内心喜んだ。
カールの妹なのだから美人
だろうなと多少興味が湧いたが
帰りの挨拶で顔を見ようと
ほくそ笑んだ。



「コンコン」
ロレンツォが現れた。
紺色のスーツに淡いピンクの
ネクタイ

「ピ、ピンク‎ ⊙⊙!!」

驚くリアをニコニコしてロレンツォ
は聞いてきた。

「リア、バターケーキは
用意したか?」


「ああ、城のパティシエに
頼んでデカイ奴を用意したぞ!
ロレンツオ、気合い入ってるな!!」
ア、ハハハハ…

「まあな!!彼女は?」
ロレンツォは髪の毛をチリチリ
しながら鏡を見る。

「もう庭に着いている頃だ
さっき挨拶に来たからな!」
リアが呟くと

「 もう来てるのか?
早く、早く案内しろ!急げ」

ロレンツォは案内係を急き立て
走るようにドタバタと出て行った。
案内係も迷惑な話!

そんなロレンツォを見ながら
リアは溜息を吐く

""「は?美人だと聞いたのか!」
あんなに山娘を追いかけていたのに
なんて奴、とリアは呆れていた。



「殿下がお着きになりました。」
その一言にフローレンスは
┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡
フローレンスは椅子を立ち頭を
深々と下げた。



「待たせた。
頭をあげなさい、フローレンス」


「は、はい💦」
静かにフローレンスは顔を上げた。

ヤバイと思いつつ

しかしロレンツォは
益々綺麗になったフローレンスに
💕骨抜きのフニャフニャ

「あ、あのぉ殿下
初め・・まし・・て」

「あ、ああ、分かっておる。
フローレンス︎⸜❤︎⸝‍」


「エエ・・トその節は
御無礼いたしました。」
初めましてと挨拶したのにクフフと
ロレンツォはwww
笑いを堪える。


「ん?何の事だ
何も心配は要らぬ!」

「‍\\パアアアッ🌻////」
その言葉にフローレンスの悩み
は吹き飛んだ、思わずニッコリ笑顔に
なる。
もう逃げなくてイイノやったぁあ

┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡
ロレンツォの心は高鳴った!
フローレンスの笑顔にキュウウーン


そこへよく冷えたバターケーキ
が運ばれて来た
ピンク、グリーン、ピンク、
とバラの花のクリーム
が美味しそうゴクッ

切り分けられたケーキがお皿に乗る

「ゴクッ旨そ」
久しぶりのバターケーキに生唾
フローレンスも遂にロレンツォと
目が合った。

優しそうなキリリとした黒い髪
深い綺麗なグリーンアイ
鼻はスッと通り薄ピンクな
唇?
思わず見とれてしまう。
それに・・スーツ姿も似合ってる
気のせいよね、アリの
グッシャグシャな髪の隙間から
みえたグリーンアイと同じ。


しみじみと見つめるフローレンスに
ロレンツォは(OoO;) ドッキーンッ!

「ンンッコホン!
私はコーヒーを、フローレンス
何を頂くか?」

ロレンツォが切り分けられた
ケーキを差し出しながら聞いて
きた。

「では、烏龍茶を
ドデカイコップで氷多めで
頂きます。」


フローレンスの前にヒエヒエの烏龍茶
到着!

「さぁ、どうぞ😊」
ロレンツォが薦めてくる。

烏龍茶のヒエヒエをふたくち飲ん
で口を冷やしその流れでバターケーキの薔薇をスプーンで掬って
ガブリモグモグ
冷えた薔薇が固まったまま口の中
で半分に割れる
固形の感触から溶けて行く過程が
大好き♡

そんな自分劇場に浸る・・ゴクリ

「早くどうぞ、食べて」
ケーキを見つめヨダレが落ちそうな
フローレンスを見て
ロレンツォが勧めてくる。

黒目をクリクリさせながら
ロレンツォを見てフローレンスが
呟く。

「あのぉ、自分なりの作法が
ありまして、よろしいでしょうか?」

「ほう、どーうぞ!」
自分なりの作法と聞けば気になる


「では、お人払いをお願いします」
フローレンスは小声で言った。

「え、ああ分かった。」
ロレンツォが片手をあげると
20人の人間が居なくなった。

回りを見たフローレンスは
又愛らしい微笑みを浮かべ

「では、遠慮なく」
そういうとフローレンスはニッコリ笑いでっかく口を開けて烏龍茶を
ゴクゴクゴク
プファー


スプーンをカレースプーンに
変更してもらい黄色、赤、緑、の
信号カラーの薔薇をスプーンで
掬ってカプカプカプ
想像通りの感触に

「キタキタキタコレコレ」
零れるような笑顔でロレンツォ
を見てニコニコ

ホールケーキを半分平らげた後
ロレンツォがケーキを食べて
いないのを確認すると
ゴソゴソとバックを焦り
小さな箱を取り出した。

あのコレ
フローレンスがバックを焦る
段階で、すかさず、護衛が飛んできたがロレンツォが又右手を挙げた。

「あ、ああ毒味ですか?
私がします。」
こわい顔をした人が出てきたので
フローレンスは毒味だと直ぐ分かった。

フローレンスが出してきたのは
野菜チップだった。
パリパリパリパリ

「殿下は甘いのが苦手だと
兄から聞いて作りました
美味しいですよ…
よかったら・・」
と差し出した。

ロレンツォは直ぐパリパリパリパリ
「おー
ほんのり塩味美味いな!」

ロレンツォはフローレンスの
気使いに超御機嫌