翌朝は、夏の強い日差しで目が覚めた。

私の通っていた地元の公立大学は、その偏差値の低さから「穴場」と呼ばれており、学生の大半が地元民だ。

「大学には行け。カネがかかるから、県外はダメ。浪人も私立もダメ」

そんな親の命令に従うには、私の成績だと、国立は落ちる確率も高いので、それこそ「穴場」の公立に進学しただけである。

しかも、特に興味もない学部だったので、一体何を勉強したのか、自分でもよくわかっていないのが本音で、更に恥ずかしいのは、卒業と同時に結婚し、そのあとはずっと籠の中の鳥だったので、全く社会人経験がないことだ。

30で働いたことがないなんて、とても人には言えない…。

何だかもう、今の私はまさにドン底ではなかろうか。

どこでどう間違えてしまったのだろう?

男を見る目がなかったのも大きいが、そればかりでもないと思う。