転入届を出さなければ…。

そう思い、私は市役所に向かおうと、ママチャリに乗ろうとしたが、何故かない。

クロスバイクや電動三輪は乗ったことがないので、待つことを覚悟で、バス停に向かった。

バス停の時刻表は、もはや文字を読むことすら出来ないほど、ボロボロになっている。

しかし、タイミングがよかったようで、10分ほど待った頃にバスが来た。

いざバスに乗ってみたら、私以外の乗客は、老婆が一人居るだけだ。

どんどん減便されているのも納得せざるをえない。

市役所に着くと、ちょっと嫌なことがあった。

窓口で応対した職員が、何処かで見た顔なのだ。

さりげなく名札を見ると、彼が小中学校の同級生だったことに気づく。

相手も気づいていた様子だが、仕事中ということもあり、特に何も言われなかったが、私にしてみれば、実に気まずかった。

田舎だし、離婚したこともこんな形で知人に知られてしまうのだから。