ストロベリーキャンドル


私は空気の入れ替えがしたくなって部屋の窓を開けた…窓を開けると目の前にもう一つの窓…嶺緒の部屋の…私はいつもここから嶺緒と会話をしたり、朝が苦手な嶺緒を起こしていた…何千回もここで嶺緒と顔を合わせた…

夜中寝れなくなったときに嶺緒の窓を叩いて相手をしてもらったり、辛いことがあったときジュースと一緒に『大丈夫』ってメッセージを付けて置いといてくれたり…私達はここで一緒に育ったんだもんね…置いていかないでよ…私はまた涙が止まらなかった。まだ出るのかと死ぬほど思う程今日泣いていると思う…

すると一匹の蝶々が私の部屋に飛んできた。そして私が指を差し出すと私の指に止まった…

「嶺緒?嶺緒なの?」

嶺緒の生まれ変わりかもしれない蝶々が私の指に止まった後肩になってきた。そして、私は右手を胸に当てた…嶺緒に会えないなんてしんどいよ…まだ受け入れるには時間がかかると思う…でもこの動いている心臓が嶺緒はまだ生きている証。嶺緒の一部なんだもん…この心臓が止まらない限り嶺緒と私は生き続けるんだもんね…

「嶺緒、私決めたよ。私看護師になる。この1年間沢山看護師さんにお世話になった。優しくしてもらった。私もあんな人になりたい。誰かを救う人になりたい。嶺緒が私を救ってくれたみたいに…私もう一年2年生をやらないとだからちゃんと勉強する。難しいかもしれないけど、嶺緒の命を繋げていきたい…いいかな?」

自分の命が尽きると思ってたから絶対叶えられないと思ってた夢。そして、誰にも言ってなくて密かに思ってた夢を嶺緒に1番に報告させてもらうね。だって、私達は幼馴染であり、運命であり、恋人であり、一心同体の相棒でもあるから…