ストロベリーキャンドル


封筒の中には一枚紙が入っていた。そこには私と嶺緒の生まれたばかりの時の写真が入っていた。裏を見てみるとQRコードが書かれあり、『読み取ってみて』とメッセージが書かれていた。私はスマホでそのコードを読み取った。開いてみると小さい頃から最近の写真や動画が沢山詰まった歌詞動画だった…なんで昔の記憶がない嶺緒がこんなことを…嬉しさと驚きと感動が一気に来て、私はびっくりして涙が止まらなかった…

幼少期。小学中学高校…私達は共に成長してきたんだね。私の隣には全て貴方がいた。嶺緒から見た私はこんな感じで見えてたんだね。動画は17歳の誕生日のあの、遊園地のところまで来た。『この後私達は…』そう思ってしまった。きっとここで動画もおしまい…そう思ったけど続きがあった。私たちが一緒にいなくなった後の写真。一緒には写ってないけど遠くからだけど嶺緒が私の知らないうちに撮った写真も出てきた。きっと隣に居られなくなってもずっと私のことを見ていてくれたんだね。記憶がなくてもきっと心のどこかではもしかしたら私の事を気にかけててくれたんだね…

するとここで急に音楽が止まり画面が真っ暗になった。すると急に病院のベットであろう上に寝ている嶺緒が映った。

『月葉へ
 18歳のお誕生日おめでとう。今日で成人の仲間入りだね。本当におめでとう。心臓の手術も無事に終わったかな?今まで通りの生活を送れていますか?本当は伝えるか迷ったけど、月葉に想いを伝えれる事が最後だと思ったので、伝えさせてください。実はその移植した心臓は俺の心臓です。きっと混乱するだろうけど、今から伝えていなかったことを伝えさせてもらうね。
 まず、俺の記憶についてなんだけど本当のことを言うととっくに記憶は元に戻っていました。きっと心のどこかで勘付いてたんじゃないかな?でも、それを月葉には言わないでおいた。実は脳について色々検査をした結果事故で脳に障害が起こり、一年も生きれないかもしれないって言われたんだ。だからどうせ月葉の隣からいらなくなるなら記憶喪失のままだと思っていた方が幸せ、そう思いました。だから別れた。ごめん。でも、月葉が心臓の病気って知った時俺はなんでバカなことをしたんだって思った。隣にいてあげればよかったってすっごく後悔した。そこで俺たち結城家は海外に行くことにした。俺たちのことを知らない所で過ごす。そうすれば俺が亡くなった時に誰にも知られなくて済むから。
 俺の病気が進行しベットから起き上がれなくなくなった時、もし今後脳死に至った場合臓器移植をしてもいいかという紙を渡された。それを見た瞬間俺の心臓を月葉に移植できるか聞いた。どうせ死ぬなら月葉に生き続けてもらいたい。そう思ったから。調べてみたらったらびっくりだよ。ドナーにピッタリだったんだもん。やっぱ俺たちは運命だったんだよ。俺が脳死したら、月葉に移植する。そう先生とも家族とも約束をした。
 だからね月葉。俺の分まで強く生きて。俺が生きれなかった分まで月葉には笑って生きてほしい。やりたいことを叶えて、幸せに生きてほしい。結婚して子供が産まれて…幸せな人生を送ってほしい。胸に手を当てたら俺がいる。俺が月葉の1番近くにいるから大丈夫…だから、生きろ!きっと辛いと思う。でも、俺からの最後のお願いだ。幸せに生きてほしい。俺は笑っている月葉が大好きだから。出会ってくれて、俺の彼女になってくれて本当にありがとう。天国でヨボヨボばあちゃんになった月葉と再会できるのを待ってます。誕生日おめでとう。愛してるよ』