──ピピピピピピ…ピピピピピピ
枕元にあるスマホから爆音の目覚まし音が聞こえる。
「んっ…」
寝ぼけてながら目覚ましを切りもう一度枕へダイブしてしまう。まだ大丈夫…今日は4月20日日曜日。私の18歳の誕生日。なんだけど睡魔にはどうしても勝てない。
「月葉ー起きなさーい!」リビングからお母さんが大声で起こす声が聞こえ頑張ってベットから体を起こし寝ぼけながらリビングへ向かった。
「おはよう月葉。誕生日おめでとう」
「ありがとうお母さん」
1番最初に声をかけてきたのはお母さんだった。奥でお父さんも「おめでとー」って手を振りながら言っている。
「じゃあ俺からも。月葉誕生日おめでとう。成人だね」
私が立っている後ろから声が聞こえびっくりし振り返るとヘアバンドを付けたお兄ちゃんが立っていた。
「びっくりさせないでよお兄ちゃん。心臓が飛び出るかと思ったよ!でもありがとうお兄ちゃん」
湊斗と音葉はまだ寝ているらしく、久しぶりにゆっくりとした朝を迎えれた。朝食を食べ、2人が起きてきて「おめでと!」って言いながら2人で抱きついてきた。とっても可愛い私の宝物。
落ち着いたあと部屋に戻りベットに寝っ転がった。誕生日…嶺緒も今日18歳になった。いつもだったら1番に伝えてたけど今年はできない。そして…事故にあってから一年。
考えたくもない日…私の人生が大きく変わった日。この一年色々あった。でも、私は今生きている…幸せな人生を歩んでいる…だからあと足りないものは…嶺緒…
嶺緒…戻ってきて…
──コンコン、ガチャ
「月葉。これ」
お母さんがわたしの部屋に入ってきて私に封筒を差し出してきた。
「何これ?」
「届いてたの。ポストに」
そう言って私は送り主を見てみた。そこに書いてあった名前は『結城嶺緒』
「嶺緒から…」
お母さんは「じゃあ」と言い部屋から出ていったあと、私はその封筒を開けた。

