ストロベリーキャンドル


そんなこと無理なのに考えてしまう。それほど私の心は今苦痛なんだろう。

いつからこうなってしまった。いつから私はこんなになってしまった。人生の大切さ生きていることの意味。それを何も感じずに生きていくようになってしまったのは。

一歩大人になったのかもしれない。物事を客観的に見られるようになったのかもしれない。それは人間生きていくために必要なこと、時期なのかもしれない。

でも私はそのタイミングを誤った。なんならそうなってしまったきっかけが悪かった。

[月葉が余命一年]

このことが私の心を、気持ちを変えたのかもしれない。

でも、無理なものは無理なんだ。急に月葉がこの世界から消えてしまうと思うと悲しくて悲しくて仕方がないんだ。

あー…涙が止まんなくなってきた.

大事な人が、存在が。急にこの世界から姿をなくし消え去ってしまうのが嫌だ。昨日の今日まで手を伸ばせば届く距離にいて触れ合えていた人が突如消えてしまうのが怖い。

ずっとこのような世界でいればいいのに…そんなことなんてできるはずがない…

それでも…それでも私は求めてしまう…ずっとずっとこの世界で、この人たちと…過ごしていたい…笑い合っていたい…無理なことくらい…わかっている…わかっているはずなのに…諦めることができない…

だってさ…ずっと一緒で幼馴染で…親友で…これからもずっとこんな日々が続くと思っていたのにさ…

誕生日の日に…彼氏と交通事故に巻き込まれて…そのせいで彼氏は記憶喪失になってしまって…別人みたいになってしまって…

それでも前向きに生きていくと心に決めていたのに…学校で倒れてしまって…検査をして見たら心臓病…しかも余命一年…こんなに悲しくて苦しい人生をしてきている…

そんな月葉を…見ていたら苦しくて病室を飛び出してしまっていた…月葉に嫌な思いをさせてしまったかもしれない.でもいてもたってもいられなかった…

やっぱり最低だよね私…支えてあげられなくて…自分の感情で動いてしまって…一番泣きたいはずなの月葉本人んおはずなのに…私が泣いてしまって…申し訳ないことをしてしまった…謝ったら月葉はきっと何も言わずに許してくれると思う…

でも…私自信がそれを許さない…最低でも結構…元の関係に戻りたいだなんて思っていない…だって…どうしたらいいのかわからないんだもん…何をするのが正解なのかがわからない…わからないよ…

「んっ...」

目を開けると私はベットに寝っ転がっていた。いつの間にか寝ていたみたい。窓は閉まっていて外はもう真っ暗だった。泣きながら寝たせいで目が少し腫れている気がする。

どうしよっかな…久しぶりにリビングに行ってみよっかな…時間はー…まだ9時か…みんな起きているだろうけど明日外に出かけるんんだからリビングくらい言っとかないと。

お風呂にも入ってスキンケアも久しぶりにしないといけないからな…

よし!!頑張ろう!これが私の第一歩なのだから…

部屋のドアを開けて階段を下っていく。階段の音と同時に心臓の音が高鳴っていく。どきどきと心臓が高鳴っていって、部屋に戻りたいと思う。でもここで諦めたらおしまい。相手はだって家族なんだから、家族に緊張していたらこの後もできない。

ガチャ──

階段を下っているときにリビングのドアが開いた。

「瑠奈?部屋から出てきたの!?」

あ母さんだ…お母さんはびっくりしている様子だったけど私は平然を保っていた。

「お母さん、お風呂沸いてる?」

「うん....入る?」

「うん....」

「わかった。待ってて」

お母さんはお風呂場の方に行って、私はリビングに入って行った。リビングにはお父さんと弟の瑠衣がいた。

お父さんは私の姿に気がついた時に「えっ!?」とびっくりしていた。その声に瑠衣も反応してきた。でも二人とも何も言わずにいてくれた。その感じにありがたみを感じながら私はお風呂場に行ってお風呂に入った。

そのあとはスキンケアをして髪の毛を乾かして部屋に戻ってた。明日は流と会うから服装とかも色々決めた。なんかこんな気持ち久しぶりに感じた。

明日が楽しみで眠ることができた。ずっとこんな人生を送っていきたい。この日の夢は久しぶりにいい夢を見ることができた。

何をするわけでもないけど、日々の生活の中で楽しいことだったり生きがいを見つけることはとてもいいことだと思う。

縛られている人生ではなくて、日々の喜びだったり楽しさだったり、嬉しさだったり…そういうことが繋がっていくだけで毎日を楽しく過ごせると思う…挫けることだってある。

それをどう人生に活かしていくのか。そんなことはこの時の自分はわかっていなかった。