ストロベリーキャンドル


片付けを始めてから大体30分くらいで部屋がきれいになった。部屋の空気でも入れ替えようかな。窓を開けると冷たくて寒い風が一瞬にして部屋の中に入ってきた。こんなふうに窓を開けたのもいつぶりなんだろう。

冬だから元々窓を開ける回数も少なかったけどそれを含めたとしてもこうやって窓を開けて外の風景を見たのはだいぶ前のことだと思う。

窓から見える公園を見ると小学生くらいの子が数名遊んでいた。男女5人くらいだろうか。雪が少し降っている中楽しそうに鬼ごっこをしている。そんな様子を見ていたらスーッと涙が流れてきた。

小学生の頃の自分達を思い出してしまう。小学生の頃の私たちもああやって真冬の寒い中鬼ごっこをしていた。輝羅は元気で寒さを感じさせないくらいはしゃいでいた。流は輝羅と一緒にずっとはしゃいでいた。

休憩しようと言っても頑なに二人は嫌がって走り回っていた。嶺緒は...嶺緒は普通だった。はしゃぐ時は一緒のはしゃいで、休憩をするときはちゃんと休憩をしていた。

月葉と私は体力が多く続かない方だったから遊ぶ時は遊んでいたけどすぐに休憩ばかり望んでいた。

そんな無邪気に、純粋にみんなで楽しく遊んでいる時があった。今考えるとあの時間はかけがえのない宝物でと思う。

今はもうできない。月葉は入院をしているし嶺緒は外国に行ってしまった。輝羅と琉はいるけど無理。

もし今全員集まっていたとしても体力の差が出るのもあるけど周りの人からすごい目で見られるだろうし、こんなにギクシャクしていたらできなうと思う。

あの時に戻りたい。無邪気に、純粋にみんなとはしゃぎながら遊んでいて、何も考えずに楽しく遊んでいられたあの時に戻りたい。もし、あの時に戻れたら今と同じ道には進まないと思う。みんなと一緒にいたいけど、判断をきちんとすると思う。

何も考えずに行動していなかったあの頃を少しでも変えて、今を変えたい。流が記憶喪失にならなくて、月葉が病気にならないでギクシャクしない関係を作って。

そして、そしてちょうどあの頃は流に恋心を抱いている時期だったからどうにかして発展させたい。何もできなかったあの時はもう嫌だ。きちんと考えて行動をしたい。突っ走って行動をするのではなく、一年後二年後もっともっと先のことまで考えて行動したい。