ストロベリーキャンドル


・・・

次の日から私は治療に専念した。そして嶺緒は海外へ行ったと、お母さんから聞いた。治療も辛いことが多かった。気持ち悪くなって、吐くことを増えた。そして、心臓発作も出るようになった。辛い…もう…やめたいそう思うことが多くなった。でも、嶺緒との約束を果たすために私は移植を待つと言うのを心に決めている。

「つーきーは!!」

「よっ!」だと言いながら病室に入ってきたのは輝羅だった。輝羅が持つ袋の中にいろいろなものが入っていた。輝羅は、病室を飛び出したあとちゃんと心の整理ができたみたいで、お見舞いに来てくれるようになった。

「ねぇー聞いて!!来週テストなんだけど!!」

「あー…もうそんな時期だもんね」

「そうなんだよ!!もう嫌なんだけどー」

私はこの調子だから学校にはいけない。そして…進級も…

日数を超えてしまったから、もうみんなと三年生にならなくなってしまった…私は二年生をもう一回やる…その事についても、ちゃんと考えないといけない.

「でもさ、それが終わったらもう春休みじゃん。だからもう少しの辛抱だよ」

「んー.あっ!月葉勉強教えてよ!!学年末だから今までのなら分かるでしょ?」

「分かるけど教えるのが苦手だからな」

私は自分で言うのもあれだけど勉強はできる。歴史だけは無理なんだけどね。だけど教えるのはめちゃくちゃ苦手…嶺緒に何回笑われたことか…思い出すな.あの日々を.

「ぉ-ぃ…月葉!?」

気づいた時には輝羅の顔が私の目の前にあった。そして結構びっくりした。

「あっ!ごめん。なんだっけ?」

「何考えてたの?ボーっとしちゃって」

何を考えていたかなんて、言えない…『嶺緒のこと考えてる!!』なんて言ったら『またかよ』って言われるのが想像つくから。

「じゃあ明日から教えてあげるよ」

「本当!?やったぁーー!!」

輝羅は本当に勉強ができないから進級できるか不安になっていた。だから輝羅の勉強を教えるのは友達として苦ではない。

瑠奈も勉強が出来るけど、輝羅は気を使うんだと思う輝羅は昔からそうゆう子だったから。

「ねぇー月葉…瑠奈のことなんだけどね」

「うん…」

「瑠奈…月葉の病気のことで今落ち込んでるの…先生たちは学校で何にも触れないから私たちも知らなかったし、みんなも知らない…でも瑠奈は心が不安定になってる」

「うん…」

瑠奈の様子がおかしいことくらい私だって気がついていた。あの日、瑠奈がこの病室を飛び出したあの日から…

「でさ、月葉一回瑠奈とちゃんと話してもらいたいんだけど…いい?」

「うん…その必要があると思う。私が病気なのちゃんと瑠奈にも理解して欲しいし、このままずっと瑠奈と話さないのも嫌だから…」

「だよね…瑠奈と一回話そう!!私はいないから、二人っきりでしっかり話し合って…と言ってもどうやって瑠奈を病院に連れてくるかなんだけどね…」

「うーーん…」

輝羅が言うには瑠奈は学校にも来れてなければ家からも出ないらしい…いわゆる『不登校』になりつつある…そんな瑠奈をどうやって連れ出すか…きっと簡単には来ないだろうし、私や輝羅が呼び出しても来ないと思う…誰かが連れ出してくれる限り…

「誰かいい人いないかな?」

いい人いい人…私の病気を知っていて、瑠奈と話せる人…あっ!

「「流は!?」」

「「あっ!」」

ハモった…輝羅もまさか被ると思ってなかったからかびっくりしている。ビックリしていたけど、目があった時に面白すぎて声を出して笑った…