・・・・
──ピッ…ピッ…ピッ…
ん…なんだか懐かしい匂い…
今年に入ってから嗅いだことがある…それにこの音…どっかで聞いたことが
あっ!!ここは病院だ…目を開けると私はやっぱり病院に居た…私あの時学校で倒れて…
事故にあった時よりもたくさんの機械に繋がれている…私、なんであの時倒れたんだろう…廊下を歩いてる時に、急に胸が痛くなって…そうしたら…倒れた。私、なんかの病気なのかな?でも、すぐに治るよね…きっと…
機械で繋がれていて、病室には私しかいない。それに首しか動かせない。なんで?…
──ガラガラ
誰か入ってきた。
「崎谷さん。点滴変えに来ました」
看護師さんだ!看護師さん気づいて!!
「か…ん…ご…し…さん…」
「えっ!崎谷さん!?意識戻ったんですか?」
急いで看護師さんが電話をした。
「先生!!崎谷さん目が覚めました」
「はい…はいわかりました」
看護師さんが電話を終えると私の方を向いた。
「今先生に連絡を入れましたので、もうすぐ来ると思います」
「は…はい…」
──ガラガラ
「崎谷さん。体調はどうですか?」
先生とさっきいた看護師さんが入ってきた。
「今は…大丈夫…です…」
先生が来るまでに少しはまともに話せるようになった。
「崎谷さん。こんなときに申し訳ないが聞きたいことがあるのですが大丈夫ですか?」
「は…い…」
なんか前にもあったな…こういうの
「学校で倒れたときどんな感じでしたか?」
「胸が…急に…痛く…なりました…」
「どんな感じの痛みでしたか?」
どんな感じの痛み…?
「ズキッ…という感じの…痛みでした…」
「そうですか」
この感じ懐かしいな…事故でこの病院に運ばれて、目が覚めた時もこんな感じだったな。
「では…明日検査をしたいのですが大丈夫ですか?」
「は…い」
「では…また明日」
「あっ!そうだ入谷さん。崎谷さんの家に連絡を入れておいて」
「分かりました」
この看護師さん入谷さんって言うんだ。さっきの話し方からして優しそうな人だと思った。
「では…何かあったらナースコール鳴らしてください」
「分かりました…」
──ガラガラ
そうして、先生と看護師さんは病室から出て行った。はぁーこれからどうなるんだろう。また学校休まないといけない…これ、もしかして進学できないんじゃない?事故の時も大体一ヶ月間休んでいたから…
もうダメじゃない?また今日から入院生活だろうし…また2年生もう一回やることになるじゃん。はぁー憂鬱な気分になる…ふぁ〜…こんな気分になってきたら眠たくなってきた.寝よっと…そうして私は眠りについた。
・・・・
──ガラガラ
「月葉!?」
「ん…」
誰かが病室に入ってきた。そして、私の方まで駆け寄ってきた。
「月葉?大丈夫だった?」
「ん…」
目を開けると目の前にお母さんがいた。
「ちかっ!」
近すぎる。距離感バッグってるでしょ。
「あぁ〜よかった目が覚めて…学校から連絡入って、病院に来た時はびっくりしたんだから」
「ごめんごめん」
お母さんの顔を見るとクマが出来ていた。きっと寝れなかったんだ…
「ん?病院に来た時って…今日倒れたんじゃないの?」
私が学校で倒れた日は12月16日。あれから病院に運ばれて、今日は何日なの!?
「えっ!今日は12月19日だよ…」
「えっ!」
てことは私が学校で倒れたのって、一昨日なの?その間、ずっと私は眠ったままだったの!?嘘…信じられない…
「とりあえず今日は服持ってきたから。そのバックに全部入っているから」
「うん、ありがとう」
バックの中を見ると、服だけじゃなくて買おうと思っていた漫画全巻がも入っていた。病院生活で飽きないようにと、気を遣ってくれたんだろう。
「とにかく今日はゆっくり休みなさい。明日検査だって言っていたから」
「うん、わかった。じゃあまた明日ね」
「バイバイ」
そう言ってお母さんは帰って行った。
帰った後私はお母さんが持ってきてくれた漫画を全部読んだ。なかなかの面白さで、どんどん読んでしまった。読み始めてから6時間も経っていて、なかなか夜遅い時間になっていた。読み終わった後、気持ちよく眠った。
翌日…
気持ちよく目覚めることができた。今日は朝からずっと検査をしなければならない。自分では病気じゃないと思っているけど…大丈夫だよね!?
検査の時はお母さんもいて、今日はずっとお母さんと一緒にいた。全ての検査が終わって、とりあえず検査結果は明後日出ると言われた。
病室に戻ってきて、お母さんは音と湊斗の面談だから帰らないといけないと言って帰っていった。
一人の病室は寂しい。せめて何人かと一緒だったらよかったんだけどな。
昨日は漫画を読んだから今日は動画でもみよっかなー。
スマホで、最近見れていなかった動画を見た。最近ハマっているアイドルの動画を見るのが最近の楽しみ!
病院生活となると、もちろん消灯時間がある。
部屋の電気が真っ暗になって、何もできない状態になるけど、スマホは触れる。だから、眠くなるまでずっと輝羅と瑠奈とラインをしていた。
入院してから二人に会えてないから、こうやってラインができることが嬉しい。
なかなかの時間になるまでずっとラインをしていた。そろそろ頭が働かなくなってきたので、1時でやめた。3時間くらいずっとやってしまった。最近のクラスの状況だったり、嶺緒の様子だったり…
そんなことを話していると、あっという間に時間が過ぎてしまう。3人で話している時間が一番楽しい。もちろん嶺緒といるときも楽しいけど、楽しい!という種類が違う。
そのくらい大切で大事な友達。
あーでも、そろそろ本当に頭が回らなくなって来た。そろそろ寝ようかな。
ラインを終わらせて、眠りについた。

