告白/その2





「それは、昔から大量に殺され続けてきた狐の怨念が、この大木に凝縮して、この地の住民の子孫に復讐してるんだと…。つまり、狐の呪いで、我々ここに住み続ける者が自殺に追い込まれているんだと…。この辺りでは、昔からそんな定説が根付いているんですよ」
「とても怖い話ですね。たとえ、作り話だったとしても。」
冗談抜きで恐ろしくなって、鳥肌がたってきた。
そういえば、ここ、やっぱり不気味だわ。
気のせいか、さっきより木々の揺れが大きくなってきたような感じも、…するし。

でも、向井さんは話を止めようとしない。
私を単に怖がらせようとしているのではないのかなって、そんな気もするんだけど…。

そう思うと、彼の表情は悲しそうだ。
辛そうでもある。
えっ…、まさか…?

...


私の予感が当たっていれば、この流れで私が口にするべき、当然の言葉を発しようと思った。
だけど、ぎりぎりで口にできない、何故だか…。

そして、向井さんが話を続けた。
ひょっとして…!
いやよ、聞きたくないんだけど…。
やっぱり、恐れていたこと言うの?

”借金でもう疲れたから、僕もここで…”って。
ダメ、それ聞きたくない、絶対!