ピピー、と試合終了のホイッスルが鳴る。


稲江高校のメンバーは膝に手を付き、項垂れた。

その目に涙が光る。


27対22。

1トライ差の接戦だっただけに三年の先輩たちは悔しいだろう。


それでも浪越高校のメンバーを称え、握手をしている。



小春は早紀と一緒に、控えメンバーが肩を落としながら帰り支度をする後を追った。






笠寺先輩たちは、この試合をもってチームから卒業する。







あとは受験勉強に励むようになり、小春たちとの接点はなくなる。




寂しい、と小春は思った。