チャレンジ枠の部署には台車が3つ。
 持ち手には「営業部」「人事部」「社長室」と黄色い付箋にマジックで配達先の部署が書かれている。
「じゃ、落合さんは営業部、私は人事、で呉松さんは社長室に言ってください」
 午前中丸岡に注意されたのか、服部つかさは、いつもと違い敬語で話すがどこか苛立ちをぶつけるような口調だった。  
結花は服部に段ボールの量が多く、かつ大きな物が多い部署を指定された。
 一方落合は一番少ない営業部だ。
 彼女は子供の頃から体力がなく、疲れやすい体質であることを入社時に申告しているため、負担の少ないも業務をいつも配慮してもらっている。
 チャレンジ枠は落合のように障害があるメンバーはあと3人いる。
 それぞれ、面接でどういった特性や持病があって、生活で不便している内容、就業する場合、どのような部分で業務に支障きたすのか、それをカバーするためにどういった配慮が必要なのかなど、細かく説明する。
 出来ない分どこでフォローするかもアピールポイントで、そういった人は業務に入っても社内で可愛がられる。


 連絡先をもらおうとお願いしたら断られたので、リベンジしようと。