結花は下にうつむいて唇を震わせる。
 なんでここまでいわれないといけないの?
 私があんたになにやったというの?
 因果応報という言葉が強く突き刺さる。
 
「あんたみたいな人、目障りだから死ねばいいのに。そしたら喜ぶ人沢山いるんじゃない? 少なくとも私は嬉しい。不慮の事故で。娘さんもこんな恥の塊みたいな親が居なくなったら、肩の荷がおりるでしょ? 人事部も大変だったよねー。こんな訳あり人間が来たんだから。ま、人事も節穴だからお似合いかな? てかこのまま向こうで自滅すりゃよかったのに。こんな奴押しつけやがって」
 服部の人事に対する不満に、まじそれなと他の同僚も同調しだす。結花を嘲笑しながら。

 人事部で甘やかしていた、オッチャンオバチャン達も、よそよそしくなった。
最低限の挨拶はしてくれるが、結花と深く関わるとろくなことがないと言わんばかりに、そそくさと逃げる。
 休憩時間ですら、ここの人達は結花が話しかけても『あっそ』『だから何?』と冷たい返答か、無視してきる。まるで結花の話に聞く価値無しとすぐに話を切り揚げる。
 それが結花に対する因果応報を”正当化”して。