面談は2階の小さな会議室だった。
 結花と良輔、そして杖をついた周子。向かいには大磐だ。

 周子さんですね、施設内では人気者です。
 いつも誰かとお話されています。
 しかし、少し気になることがありまして。
 息子の良輔さんには以前から何度かお話してます。
 まず他のご利用者さん達への嫌がらせのお話です。

 周子さんが入所されてから、何人か利用者の事故がありました。
 息子さんから頂いた差し入れを一緒に食べようとした後に、アレルギーで体調不良になった方が2人。

 最初は知らずにやっていたそうですが、それが何回も続いてました。
 利用者本人もすっかり忘れている所もありましたが、職員がチェックしている隙をついて、そのアレルギー持ちの利用者にこっそり混入させていたのです。その食品というのが、クッキーなんです。卵入りの。

 あと、夜間中に男性利用者を入室させているんです。その話し声が結構大きいものでして。
 他のご利用者達――特に両隣の利用者達からクレームが来ています。

 巡回中の職員達も何度か見かけては、声描けていますが、これも隙をついて、すぐに男性ご利用者を入室させています。
 ここでの生活で、身内以外の入室はご遠慮頂いています。
 事故やトラブル防止の観点からです。