高校に入ってから、父が趣味でやっている競技クイズをはじめた。
 父が卒業したとこで、親子2代入ったことになる。
 部員は6人。ほとんど男子で、私は紅一点(こういってん)だった。
 2年の時に、高校生クイズに出たけど、初っ端で負けて悔しかったのを今でも思い出す。
 最初は同級生から男目当てと揶揄(やゆ)されてきた。

 確かにこの手の部活は男子が多いから、そう見られるのも分かっていた。
 私は男子目当てで入ったんじゃない。
 父に影響されて始めただけ。
 知らないことを知ることの楽しさ、緊張で手が震えながらも解答ボタンを押して、正解した時の嬉しさ。

 同じ部活のメンバー達は、みんな経験者ばかりだった。中学校の部活にはないので、ネットでそういうサークルを探してやってたそうだ。
 近隣のサークルとの繋がりがあって、入学したときには、顔見知り状態。
 完全に高校から始めましたという私にはアウェイな状態だった。
 足引っ張って申し訳ないと思ってたけど、そんなことはなかった。
 全然見下すことないし、メンバーが正解したら「ナイス!」とか「すごーい!」と盛り上げてくれるし、失敗しても「次いこ、次!」と、決して責めることはなかった。