子供に同意を得た状態で進学費用の一部で使うのならともかく。

「見てください」と光河は、銀行のアプリの通知をスクショしたのをスタッフ達に見せる。
 数百円から万単位でちょくちょく通知が来ている。しかも平日の午前11時とか午後の13時とか、日中がほとんどだ。
 光河は「基本この時間帯俺は家で寝ている。あおんねえは学校行ってるし。お父さんやおじいちゃんおばあちゃんは仕事行ってるから、あの母親もどきが犯人だ」と話した。
 子供にとってお小遣いやお年玉は大金だ。
 
 ――これいわゆる横領とかいうやつじゃ……。

 スタッフ達は「おいおいマジかよ」とか「元気だして」となだめる。

 ――なんでお義母さんだと思うんですか?

「あいつ、前の夫に捨てられたんだぜ。専業主婦なのに、家のことなーんもせずに、夫のクレジットカードや子供のお金使って遊んでたんだぜ? しかも夫が倒れたというのに、他所の男と遊んでた上に騙してたってさ。おじいちゃんから聞いた」
「マジあいつ生理的に無理! 話し方も仕草もきっしょいんだよ。だって、40越えてさ、自分のこと名前で呼ぶやつなんている? いつまでもお姫様だとマジ思ってるお花畑女だ」
 思い出したのか自分の体をかばうように身震いする光河。