瀬ノ上さんの為に朝食作ってたら、夜勤帰りの息子に見つかった。
「――あなたどなたですか?」
 冷たい声で聞かれたとき身震いした。
「あ、お父さんの友達の呉松結花です。ゆいちゃんって呼んでね」
 上目づかいで自己紹介すると、息子さんは「はぁ?」と声を上げてた。
 声に気づいた瀬ノ上さんがキッチンにやってきて、息子さんと言い争いになってた。
「なんだこの女は?」「どういう関係だ?」「勝手に人を入れるな」と強く言い募る。
「お父さんの友達だ。仲良くしてあげて」「お母さんには内緒な」と男同士の約束をしていた。
 息子さんは「ふざけんな。呼ぶからな」というので、私はボディタッチでダメだよっと止める。
「なんだ、こいつ……」
 息子さんの顔が引きつって、キッチンの座り込む。
「この子可愛いでしょう。お前の嫁にどうだ?」
「バカ言ってるんじゃね!! お母さんに言うから! とっとと帰れ!」
 その後は、奥様に見つかって大喧嘩。慰謝料の請求された。約200万。複数回会ってるのも、バレてしまった。
 奥様から言われたのは、条件として家の手伝いとして離れに住むこと。そこで給料からしょっ引くと。
 家を追い出された話をしたから。
 そこからずっと毎日こき使われる日々。
「ここの掃除出来てないわよ!!」