「…なんか悔しかったからです」


 そう話す初の頬は、真っ赤に染まっていた。


「へぇ、悔しかったんだ」


 俺がそう言うと、初はゆっくりとうなずいた。


 …あーあ、やっぱり初は気づいていないんだな。


「で、俺をドキドキさせる作戦だったと」


 そして再びうなずく初。


「…だったら成功だね、その作戦」