やっぱり、誰かの役に立つのって、嬉しいな。


 紺くんはもちろん、星出さんや虹叶くん、そして羽生ちゃんも。


 ありがとう、って言われると、自然と笑顔になれる。


 …ん?そういえば私、羽生ちゃんと話した時に何か言ってなかったっけ…?


「…っあ!!」


「え、どうしたの、初」


 急に大きな声を出した私に、ビクリと肩を震わせる紺くん。


「そういえば、私紺くんをドキドキさせる大作戦してたんでした!完全に忘れてました…」


 雪かきや紺くんの風邪が重なって、それどころじゃなかったんだよね…。


「えっ、俺をドキドキさせる作戦?」


 …っあ!!思わず声に出してしまった…。


 私の顔は、恥ずかしさから真っ赤に染まる。

「はい…」


 紺くんからなんでと聞かれたので、


「えっと、梶くんと鮎川さんが羨ましくて…」


 別にあそこまで求めてるわけじゃないけど、


「あと、紺くんにドキドキさせられてばっかりで、…なんか悔しかったからです」


 ところどころ詰まりながら、そう話した。