この別荘は海の近くに建っており、また日の出前ということもあって、目の前にはなんとも言えないような幻想的な風景が広がっていた。
私が息をのんでこの世界に入り込んでいると、後ろの方からガララララッという音が聞こえた。
「おはよう、初」
それは、紺くんだった。
「え、お、おはようございます。…紺くん、もう大丈夫なのですか?」
「うん。初たちのおかげだよ」
紺くんは顔色も良く、呼吸もいつも通りだったので、その言葉にウソはないのだろう。
「…よかったです」
…本当に、よかった。
私は心からそう思った。
すると紺くんは私のすぐ横にやって来て、私と同じように柵にもたれかかった。