私がそう言うと、星出さんは笑って、
「いーのいーの。てかさ、鮫上大丈夫なの?」
私はチラリと後ろを振り返って、
「はい…たぶん大丈夫だとは思うのですが、結構きつそうですね」
「そっか…じゃあ早く薬飲ませなきゃね」
私が星出さんにはい、と返事をして、再び感謝の言葉を伝えると、星出さんはリビングの方へと向かった。
星出さんが買って来てくれた物を見ると、お薬はもちろん、ゼリーや果物、冷えピタまで入っていて、改めて心の中でありがとうございますと呟いた。
じゃあ冷えピタを貼ろうかな?
私は横になっている紺くんに声をかけて、額に冷えピタを貼った。
次はお薬かな。じゃあ何か食べたほうがいいよね?
そう思ってキッチンに向かおうとしたその時、
「…ん?」
と、服の裾が引っ張られる感覚があった。
振り返ると、うつろに目を開けた紺くんが、私の服を掴んでいた。



