と、とりあえず何か準備しなきゃ…!


 私はタオルと水を持って来て、マスクをつけてから紺くんの汗を優しく拭く。


「はぁ、はぁ、う、初か…?」


「はい、大丈夫ですか、紺くん?」


「はぁ、だ、大丈夫だから、離れて…」


 と、紺くんは寝返りをうって私に背中を向けた。


 口では大丈夫と言っているけれど、大きく上下する肩が大丈夫ではないことを物語っていた。


「紺くん全然大丈夫じゃないです。紺くんが本当に大丈夫になるまで、私離れませんから!」


 私は背を向けた紺くんにそう言うと、自分の上着をパジャマの上から羽織った。


 えっと、まずはお薬と、ゼリーと…。


 必要なものを買いに行くために玄関で靴を履いていると、


「ただいま〜。…って、どうしたの初ちゃん」


 買い物から帰って来た星出さんと虹叶くんとちょうど鉢合わせた。


「えっと、実は…」