体育祭がはじまり、私たち3組は鮫上・倉下ペアのおかげで順調に勝ち進むことができていた。

騎士(ナイト)(プリンセス)が終わり、お昼休憩がはじまった。

「やっぱあの二人すごいね」

「だな。だからさ、SNSで稼ごーぜ」

そう言って夏也くんはスマホを取り出し、お弁当を並べて写真を撮り始めた。

「スマホ貸して?」

夏也くんからスマホを受け取ると、自分のスマホを取り出して夏也くんのスマホの画面を撮った。

「どう?」

撮った写真を見せると、満足げに

「いいじゃん」

とうなずいてくれたため、SNSに写真をあげた。

お昼を食べている間、夏也くんはずっと私のことをほめてくれていた。それが、本当にうれしかった。

褒め言葉というよりは、距離が縮まったことの方が幸せに感じられた。