その2



「このツノ、指でこするともっと固くなって、大きくなるんだ。さあ、手でこすってみて」


「こう?」


「うん。もっと早くやってみて」


「わー、ホントだ。おっきくなってきたー」


「ユウカちゃん、上手だね」


「じゃあ、今度はミツヒロ君も触ってみて」


「うん…」


「どう?」


「うーん…、なんかちょっとヌルるっとしてる」


「それね、ツノが固くなるのと一緒なの」


***


「なんで、そんなこと知ってるの❓」


「前のおうちで、お父さんとお母さんが夜、そんなようなこと言ってたの。声、私の部屋に聞こえていたから」


「僕もなんか、へんな気持ちになってきちゃった、ユウカちゃん…」


「私も…。もっと触ってみて」


「こう…?」


「…なんかヘンな気持ちだね」


「僕もだよ。…ユウカちゃん!」


戯れの家の一階…、サービスルームの中では…⁉
今、ユウカを床に寝せて、その体の上にミツヒロが覆いかぶさった。


ユウカとミツヒロの横では、虫かごの中でカブトムシとクワガタが仲良くキュウリを咥えこんでいた。




戯れの家
ー完ー