そういえば、ちょうど婚約破棄されてから半年がたとうとしている。半年に一度の貴族たちを前にしての大礼拝が確かに行われるはずだ。
ぶるりとあの日のことを思い出して震える。
「行ってらっしゃいませ、殿下」
副神殿長の言葉に、レオン様がくくっと喉の奥で笑う。
「気が早いな。私はまだ東神殿長だ」
どういうこと?
わけが分からないまま王宮礼拝堂に到着する。すでに祈りの言葉が始まっているところにも関わらずレオン様は礼拝堂に乱入した。
陛下が驚いた顔でレオンを見たけれど、ソフィア様はそのまま祈りの言葉を終え、そしてまばゆい光が礼拝堂を包んだ。
「さて、陛下。西神殿に『過ちの者から正しき者に引き継がれる』と神託が下りたその真意は分かりましたか? 本物の聖女を排除し、偽の聖女を立てた愚かな者の処罰はどうします?」
待って、何を言っているの? レオン様は処罰されるつもりなの?
「おい、乱入者を捕まえて連行しろ! こいつが偽の聖女を立てたんだ!」
殿下がすぐにソフィア様に寄り添いレオン様をにらみつける。
レオン様は、殿下を無視して陛下の前まで歩いていった。
「分かっておるレオン。先王……父上の遺言。予が王位に就いたあと、皇太子はそなたにせよとの言葉。神託に従えと確かに言われた」
陛下の言葉に、王妃様が悲鳴のような声を上げた。
「何をおっしゃるんですか、陛下。王の子である我が子こそ皇太子にふさわしいというのに、なぜレオンを皇太子にしなければならないのですっ!」
陛下が椅子から立ち上がり、レオン様に頭を下げた。
「予が愚かだった。許せ弟よ。妻の言葉に耳を傾けてしまった。案の定神託の通り国が乱れる結果をもたらしてしまった……」
陛下が頭を上げると、集まった貴族たちに向かってよく通る声で宣言した。
ぶるりとあの日のことを思い出して震える。
「行ってらっしゃいませ、殿下」
副神殿長の言葉に、レオン様がくくっと喉の奥で笑う。
「気が早いな。私はまだ東神殿長だ」
どういうこと?
わけが分からないまま王宮礼拝堂に到着する。すでに祈りの言葉が始まっているところにも関わらずレオン様は礼拝堂に乱入した。
陛下が驚いた顔でレオンを見たけれど、ソフィア様はそのまま祈りの言葉を終え、そしてまばゆい光が礼拝堂を包んだ。
「さて、陛下。西神殿に『過ちの者から正しき者に引き継がれる』と神託が下りたその真意は分かりましたか? 本物の聖女を排除し、偽の聖女を立てた愚かな者の処罰はどうします?」
待って、何を言っているの? レオン様は処罰されるつもりなの?
「おい、乱入者を捕まえて連行しろ! こいつが偽の聖女を立てたんだ!」
殿下がすぐにソフィア様に寄り添いレオン様をにらみつける。
レオン様は、殿下を無視して陛下の前まで歩いていった。
「分かっておるレオン。先王……父上の遺言。予が王位に就いたあと、皇太子はそなたにせよとの言葉。神託に従えと確かに言われた」
陛下の言葉に、王妃様が悲鳴のような声を上げた。
「何をおっしゃるんですか、陛下。王の子である我が子こそ皇太子にふさわしいというのに、なぜレオンを皇太子にしなければならないのですっ!」
陛下が椅子から立ち上がり、レオン様に頭を下げた。
「予が愚かだった。許せ弟よ。妻の言葉に耳を傾けてしまった。案の定神託の通り国が乱れる結果をもたらしてしまった……」
陛下が頭を上げると、集まった貴族たちに向かってよく通る声で宣言した。


