「それにしても、最近浄化を必要とする場所が多いですよね。天変地異の前触れでしょうか?」
馬車で体を密着させるように隣に座っていたレオン様が私の手を握る。
「聖女が祈りをさぼっているんだろ」
「いやいや、それはないですよ。毎日祈りの時間に合わせて侍女たちに身支度を整えられ護衛に周りを固められて王宮神殿に連行……いえ、移動して祈りの最中も離れたところから多くの人に監視……見守られるのですから、さぼることなんて」
レオン様が、私の手を持ち上げて口元に近づけた。
「じゃあ、力不足だな」
チュっと音を立てて、レオン様が私の手の甲に唇を落とす。
ひ、ひえーっ! ちょ、手、手を放してくださいっ。
真っ赤になってうろたえていると、レオン様がわざと前髪をかきあげアイスブルーの瞳で私の顔を見る。
「嫌だったか?」
ずるいですよ、その顔で言われて、嫌だとか言えるはずもなく、というか嫌じゃないです。恥ずかしいのと、勘違いしそうになるのと、勘違いしそうになる自分はちょっと嫌だけど。
「手、いつも癒しを行うときに、手から魔力を出しているから、私の手からたくさん魔力が漏れてるんですよね?」
私の言葉にレイナルド様がにぃっと笑う。なんですか、その笑いは。
「西神殿地区はそろそろ限界みたいだな。このままでは多くの死者が出るだろうと噂が流れてくる」
「それって、ソフィア様が西神殿から抜けてしまったから手が回らないということですよね?」
レオン様が、私の鼻をつまんだ。きゅっと。
「東神殿は、ミラが抜けても大丈夫だったのを覚えてないのか?」
「それは、レオン様が優秀だから」
「いいや。本物の聖女が毎日祈りをささげていたおかげで問題が起きなかったんだ」
「それって、私のことですか? でも、私は本物じゃなくて偽物ですよ。あの時のソフィア様の光の強さを見ればレオン様も本物が誰か分かると思います」
馬車で体を密着させるように隣に座っていたレオン様が私の手を握る。
「聖女が祈りをさぼっているんだろ」
「いやいや、それはないですよ。毎日祈りの時間に合わせて侍女たちに身支度を整えられ護衛に周りを固められて王宮神殿に連行……いえ、移動して祈りの最中も離れたところから多くの人に監視……見守られるのですから、さぼることなんて」
レオン様が、私の手を持ち上げて口元に近づけた。
「じゃあ、力不足だな」
チュっと音を立てて、レオン様が私の手の甲に唇を落とす。
ひ、ひえーっ! ちょ、手、手を放してくださいっ。
真っ赤になってうろたえていると、レオン様がわざと前髪をかきあげアイスブルーの瞳で私の顔を見る。
「嫌だったか?」
ずるいですよ、その顔で言われて、嫌だとか言えるはずもなく、というか嫌じゃないです。恥ずかしいのと、勘違いしそうになるのと、勘違いしそうになる自分はちょっと嫌だけど。
「手、いつも癒しを行うときに、手から魔力を出しているから、私の手からたくさん魔力が漏れてるんですよね?」
私の言葉にレイナルド様がにぃっと笑う。なんですか、その笑いは。
「西神殿地区はそろそろ限界みたいだな。このままでは多くの死者が出るだろうと噂が流れてくる」
「それって、ソフィア様が西神殿から抜けてしまったから手が回らないということですよね?」
レオン様が、私の鼻をつまんだ。きゅっと。
「東神殿は、ミラが抜けても大丈夫だったのを覚えてないのか?」
「それは、レオン様が優秀だから」
「いいや。本物の聖女が毎日祈りをささげていたおかげで問題が起きなかったんだ」
「それって、私のことですか? でも、私は本物じゃなくて偽物ですよ。あの時のソフィア様の光の強さを見ればレオン様も本物が誰か分かると思います」


