涙がぼとぼととみっともなく落ちる。王子様のようなレオン様。ずっと好き。レオン様の恋人になれるなんてこれっぽっちも思ってないけれど、近くにいることさえ駄目なの? アイスブルーの瞳を時々目にして幸せな気持ちになることさえ、できなくなるの?
「ミラは、私の隣にいたいのか?」
レイナルド様の言葉に素直に頷く。
「それは、私とずっと一緒にいたいと……いうことか?」
ずっと? ずっとそばにいられるなら嬉しい。皇太子に婚約破棄された庶民の娘なんてどうせ一生結婚なんてできないだろうし、巫女として神殿に勤めるなら一生……レイナルド様のそばがいい。地方の神殿に移動なんてしたくない。
こくんと頷くと、レイナルド様が肩に回した手に力をいれ、自分の胸に私の顔を押し付けた。
「あはは、随分遠回りしましたねぇ。これで、収まるところにすべて、収まりますかな」
レオン様が副神殿長の言葉に低い声で答えた。
「収まらざるを得ないんだろうな……」
えっと、私は皇太子ともう一度婚約しなくてもいいってことだよね? だよね?
それから三か月。東神殿担当地区を忙しくまわった。
「ミラ、次はロチナ村で疫病だ。休みも取らせてやれないが大丈夫か?」
「はい。移動の馬車の中で十分休息が取れるので平気です。レオン様こそ大丈夫ですか?」
「問題ない。ミラがまた私を癒してくれるだろう?」
レオン様が前髪をかきあげてにやりと笑う。私はこの綺麗な瞳にあらがえないことを知っていて、わざと目を見せるんだ。
馬車の中で、レオン様は、時には私を膝の上に乗せ、時には私の膝を枕にする。
恥ずかしいんですけど、私と接触していると癒されるってレオン様が言うので……。
もしかしたら私の体から無意識にレオン様を癒すために魔力が漏れ出しているのかもしれない。それで癒されてるんだよねと思うと、無下に断ることもできなくて……。
「ミラは、私の隣にいたいのか?」
レイナルド様の言葉に素直に頷く。
「それは、私とずっと一緒にいたいと……いうことか?」
ずっと? ずっとそばにいられるなら嬉しい。皇太子に婚約破棄された庶民の娘なんてどうせ一生結婚なんてできないだろうし、巫女として神殿に勤めるなら一生……レイナルド様のそばがいい。地方の神殿に移動なんてしたくない。
こくんと頷くと、レイナルド様が肩に回した手に力をいれ、自分の胸に私の顔を押し付けた。
「あはは、随分遠回りしましたねぇ。これで、収まるところにすべて、収まりますかな」
レオン様が副神殿長の言葉に低い声で答えた。
「収まらざるを得ないんだろうな……」
えっと、私は皇太子ともう一度婚約しなくてもいいってことだよね? だよね?
それから三か月。東神殿担当地区を忙しくまわった。
「ミラ、次はロチナ村で疫病だ。休みも取らせてやれないが大丈夫か?」
「はい。移動の馬車の中で十分休息が取れるので平気です。レオン様こそ大丈夫ですか?」
「問題ない。ミラがまた私を癒してくれるだろう?」
レオン様が前髪をかきあげてにやりと笑う。私はこの綺麗な瞳にあらがえないことを知っていて、わざと目を見せるんだ。
馬車の中で、レオン様は、時には私を膝の上に乗せ、時には私の膝を枕にする。
恥ずかしいんですけど、私と接触していると癒されるってレオン様が言うので……。
もしかしたら私の体から無意識にレオン様を癒すために魔力が漏れ出しているのかもしれない。それで癒されてるんだよねと思うと、無下に断ることもできなくて……。


