レオン様の指先が、私の頬をなぞる。あれ? こんなに巫女に軽々しく触れる人だったかな? いつものようにほっぺた引っ張るとかそういうのなら平気なんだけど、こんな風に触れられると、ドキドキしちゃうよ。勘違いしたらどうしてくれるんですか。
「人を助けることを義務だと思う自分の愚かさに……。ミラはいつも困っている人がいれば助けたいと……助けたいから助ける。喜んでもらえれば自分もうれしいと思っていただろう?」
レオン様の言葉に首をかしげる。
「だって、それは普通のことでしょ? 困っている人がいたら助けるし、助けられたら感謝するし、感謝されたら嬉しいから、また誰かを助けたくなる……そうじゃなくても、笑顔を見れば幸せな気持ちになるから、皆が笑顔でいてくれるならそれだけで……」
レオン様が私の髪を一房つまみ上げてもてあそぶ。
いや、だからそんなことする人でしたっけね? 頭を撫でられることはあったけれど、髪を触ったりはしなかったですよね?
「笑顔を見るだけで幸せな気持ちになるなんて、私は知らなかったんだ。そんな感情……。ミラの笑った顔を見るだけで私は幸せな気持ちになっていたと……。気が付いたのはミラが皇太子の婚約した後だ。気が付くのが遅かったとどれほど後悔したことか……」
破棄されましたけどね。
「ミラが泣いているのを見ると、胸が締め付けられるほど苦しい。どうか、笑ってくれ……いや、私ではミラを笑顔にできないかもしれないが……」
私が泣いてしまったからレオン様に辛い思いをさせちゃったの?
手を伸ばして、レオン様の長い前髪に触れる。前髪を上げると、王子様のようなアイスブルーの綺麗な瞳が見える。
「綺麗……大好き、私、レオン様の目が大好きなんです。キラキラしていて綺麗で……。この目を見せてくれれば、私はすぐに笑顔になりますよ」
「人を助けることを義務だと思う自分の愚かさに……。ミラはいつも困っている人がいれば助けたいと……助けたいから助ける。喜んでもらえれば自分もうれしいと思っていただろう?」
レオン様の言葉に首をかしげる。
「だって、それは普通のことでしょ? 困っている人がいたら助けるし、助けられたら感謝するし、感謝されたら嬉しいから、また誰かを助けたくなる……そうじゃなくても、笑顔を見れば幸せな気持ちになるから、皆が笑顔でいてくれるならそれだけで……」
レオン様が私の髪を一房つまみ上げてもてあそぶ。
いや、だからそんなことする人でしたっけね? 頭を撫でられることはあったけれど、髪を触ったりはしなかったですよね?
「笑顔を見るだけで幸せな気持ちになるなんて、私は知らなかったんだ。そんな感情……。ミラの笑った顔を見るだけで私は幸せな気持ちになっていたと……。気が付いたのはミラが皇太子の婚約した後だ。気が付くのが遅かったとどれほど後悔したことか……」
破棄されましたけどね。
「ミラが泣いているのを見ると、胸が締め付けられるほど苦しい。どうか、笑ってくれ……いや、私ではミラを笑顔にできないかもしれないが……」
私が泣いてしまったからレオン様に辛い思いをさせちゃったの?
手を伸ばして、レオン様の長い前髪に触れる。前髪を上げると、王子様のようなアイスブルーの綺麗な瞳が見える。
「綺麗……大好き、私、レオン様の目が大好きなんです。キラキラしていて綺麗で……。この目を見せてくれれば、私はすぐに笑顔になりますよ」


