ボロボロとおばあさんが泣き出した。それを見て、息子さんも泣き出した。
「父ちゃん、ばあちゃん見つかったの? 何で泣いてるの?」
子供が三人駆け寄ってきた。
「巫女様が助けてくださったんじゃ……」
子供たちが私の顔を見た。
「巫女様? 助けてくれたの?」
「ありがとう、巫女様」
「あいが、とね」
まんまるほっぺの小さな子がにこにこと笑ってぺこんと頭を下げた。
かわいい。嬉しい。ああ、幸せ。笑ってくれてありがとう。
干し肉を少し分けてもらい再び歩き始める。疲れたら自分を癒し、また歩く。
王宮での辛い出来事も、王妃様の冷たい目も、皇太子殿下の罵る言葉もちょっと悪い夢を見ただけのこと……。
一つ、また一つと笑顔を向けられるたびに、悪い夢の記憶は薄れていく。
もう平気。そう思って東神殿に戻ってきたのに。いろいろと思い出してしまった。
「泣くな……」
レオン様に支えられるようにして、礼拝堂を出て神殿長室へと連れていかれる。
「ミラは、そんな風に泣く子じゃなかっただろう……どうしたんだ一体」
レオン様を困らせるつもりなんてない。早く泣き止まなくちゃ。そう思えば思うほど、涙がどんどん出てくる。
「ごめ……なさ……。ひぃっく……わ、わたし……」
どうしちゃったんだろう。わかんない。
「……すまなかったミラ。ミラは聖女として幸せに過ごしていると思っていたのに……皇太子妃になればさらに幸せになるだろうと思って送り出したのに……辛いことがあったのか?」
レオン様が辛そうな表情をする。
なんで? どうしてレオン様がそんな顔をするの?
「レオン……様……どこか痛いんですか? なんでそんなに辛そうな顔をするんで……すか? いつもみたいに……困ったり、怒ったりする顔を見せてください……」
私の言葉に、レオン様が私の体を抱き寄せた。
「私は、そんなにいつも怒っているか?」
「父ちゃん、ばあちゃん見つかったの? 何で泣いてるの?」
子供が三人駆け寄ってきた。
「巫女様が助けてくださったんじゃ……」
子供たちが私の顔を見た。
「巫女様? 助けてくれたの?」
「ありがとう、巫女様」
「あいが、とね」
まんまるほっぺの小さな子がにこにこと笑ってぺこんと頭を下げた。
かわいい。嬉しい。ああ、幸せ。笑ってくれてありがとう。
干し肉を少し分けてもらい再び歩き始める。疲れたら自分を癒し、また歩く。
王宮での辛い出来事も、王妃様の冷たい目も、皇太子殿下の罵る言葉もちょっと悪い夢を見ただけのこと……。
一つ、また一つと笑顔を向けられるたびに、悪い夢の記憶は薄れていく。
もう平気。そう思って東神殿に戻ってきたのに。いろいろと思い出してしまった。
「泣くな……」
レオン様に支えられるようにして、礼拝堂を出て神殿長室へと連れていかれる。
「ミラは、そんな風に泣く子じゃなかっただろう……どうしたんだ一体」
レオン様を困らせるつもりなんてない。早く泣き止まなくちゃ。そう思えば思うほど、涙がどんどん出てくる。
「ごめ……なさ……。ひぃっく……わ、わたし……」
どうしちゃったんだろう。わかんない。
「……すまなかったミラ。ミラは聖女として幸せに過ごしていると思っていたのに……皇太子妃になればさらに幸せになるだろうと思って送り出したのに……辛いことがあったのか?」
レオン様が辛そうな表情をする。
なんで? どうしてレオン様がそんな顔をするの?
「レオン……様……どこか痛いんですか? なんでそんなに辛そうな顔をするんで……すか? いつもみたいに……困ったり、怒ったりする顔を見せてください……」
私の言葉に、レオン様が私の体を抱き寄せた。
「私は、そんなにいつも怒っているか?」


