辛かった。辛かったけれど……。
「ミラなら大丈夫だよ。神が味方してくれるさ。頑張っておいで」
レオン様がそう言ってくれたから。だから……頑張ったんだよ。
「お礼にこんなもんしかないけれど」
おじさんが木の実を三つくれた。
「ありがとう。嬉しいっ」
手に持っている木の実を全部食べ終わるころ、道端に座り込んでいる顔色の悪いおばあさんがいた。
「どうしたんですか?」
「村の作物がどんどん枯れてしまってな……」
ええ! それは大変。
「食べるものが足りなくなるのは明らかじゃ。だから、村を出てきたんじゃ……家族の負担にはなりたくないからの……。どうせ生い先短いばばぁじゃ」
ちょっと待って、食い扶持を減らすために、家族を救うために死のうとしてるってこと?
「母さんっ! ああ、いた、見つけた!」
家族が心配して迎えに来てくれたようだ。息子さんだろうか。中年の男性がホッとした顔をしておばあさんの顔を覗き込んでいる。
「さぁ、母さん、帰ろう」
「いや、わしのことはほっといてくれ。お前は嫁と子供のことだけ考えておればいいんじゃ」
おばあさんが首を横に振った。
このまま言い争いになりそうなところに、声をかける。
「あの、私も村へ連れていててください!」
村へ行くと、土地が穢れていることにすぐに気が付いた。原因は分からない。けど、どんな理由で穢れたかは私には関係ない。
「神様、どうぞ土地の穢れをお祓いください。大地よ、力を取り戻し、実りを」
いっぱい土地に魔力を送る。
枯れてしまった作物はどうしようもない。死んでしまった人を生き返らせれないのと同じだ。だけれど、枯れそうになっていた作物は元気を取り戻した。
「え? これは……? あんたの力かい?」
「はい、私は巫女なので土地の穢れくらいあっという間に祓えちゃいます」
「ミラなら大丈夫だよ。神が味方してくれるさ。頑張っておいで」
レオン様がそう言ってくれたから。だから……頑張ったんだよ。
「お礼にこんなもんしかないけれど」
おじさんが木の実を三つくれた。
「ありがとう。嬉しいっ」
手に持っている木の実を全部食べ終わるころ、道端に座り込んでいる顔色の悪いおばあさんがいた。
「どうしたんですか?」
「村の作物がどんどん枯れてしまってな……」
ええ! それは大変。
「食べるものが足りなくなるのは明らかじゃ。だから、村を出てきたんじゃ……家族の負担にはなりたくないからの……。どうせ生い先短いばばぁじゃ」
ちょっと待って、食い扶持を減らすために、家族を救うために死のうとしてるってこと?
「母さんっ! ああ、いた、見つけた!」
家族が心配して迎えに来てくれたようだ。息子さんだろうか。中年の男性がホッとした顔をしておばあさんの顔を覗き込んでいる。
「さぁ、母さん、帰ろう」
「いや、わしのことはほっといてくれ。お前は嫁と子供のことだけ考えておればいいんじゃ」
おばあさんが首を横に振った。
このまま言い争いになりそうなところに、声をかける。
「あの、私も村へ連れていててください!」
村へ行くと、土地が穢れていることにすぐに気が付いた。原因は分からない。けど、どんな理由で穢れたかは私には関係ない。
「神様、どうぞ土地の穢れをお祓いください。大地よ、力を取り戻し、実りを」
いっぱい土地に魔力を送る。
枯れてしまった作物はどうしようもない。死んでしまった人を生き返らせれないのと同じだ。だけれど、枯れそうになっていた作物は元気を取り戻した。
「え? これは……? あんたの力かい?」
「はい、私は巫女なので土地の穢れくらいあっという間に祓えちゃいます」


