その2
南部
「…我が相和会はだ、都県境の住民とは戦後からずっと仲良くやってきてる。それには、君たちの両親も含まれてるだろう。本来から行けば、この程度の荒らしで大騒ぎはしねえよ。ただしだ、先程Zの店内で暴れた君たちには、店の損壊に見合う損害賠償を払ってもらわんと。一応、看板掲げてる以上、業界に笑われるんでな。了解してもらえるな?」
「あの…、損害賠償って、いったいいくら払えば…、いいんっすかね?」
砂垣さんが、すかさず質問したわ
「500万ってとこだ」
「わー、めちゃくちゃですよ、そんな…。8人で頭割りして分割払いだって払えないですよ。そもそも損壊って言っても、ガラスや食器とかがちょこっと割れただけだと思いますよ!」
「まあ、そんな脂汗たらしてまで熱弁すんな。500万はジョークだよ。こっちの要求は言わば、”この後”、我々が行う仕事の口止めだけだ」
「ふう‥、助かった。じゃあ、みんな、それでいいよな」
砂さんの呼びかけには、全員が無言で頷いた
とりあえず…
だが…
...
「はは、みんな誓ってくれました。ここにいない二人にもちゃんと誓わせます。絶対に口外しないと。それ、オレが誓いますから。では、これで終わりってことで、自分たちは失礼したいんですが…」
「君、何か勘違いしてるぜ。我々はカタギの言葉っての、信用しないんだ。口でベラベラは求めていない。今回は一筆もな」
これには砂垣さんが言葉に詰まって、隣のオレに肘を当ててきた
ふう…、ここでオレにバトンタッチかよ…
...
「じゃあ、オレらには何を要求されるんですか?」
オレはあえて単刀直入に尋ねた
ここにいるみんなが返ってくる答えを待ってるわずかの間、片唾を呑み込む、その妙な音がぎこちなく飛び交った
「…簡単だよ。俺たちの仕事を手伝ってもらえばいい。わずかでも”共犯者”になれば、サツにタレ込んだり人に話したりはしなしな。それから、ここにいない二人は”無視”でいい。その理由は勝手に想像しろ。では、具体的に言うぞ。”届け物”の遣いだ。小学生でもできる」
参った…
こりゃヤバイって…
...
「南部、よかったじゃねーか。遣いだってよ」
「砂さん、安心するのは早いって。連中のこれからの仕事はあのテーブルの下にある道具を使う。血を見るって…!」
小声で話しかけてきた砂垣さんは、オレの答えた意味がすぐわかったようだ
今度は斜め後ろの積田に小声で聞いてる
「積田、じゃあ…、その届け物ってのは…」
「あの二人の指か腕か…。まあ、そんなとこでしょうよ」
積田はオレと同じくすべてを見通したようだ
「そして届け先は星流会ですよ」
オレたち二人は交互に”説明”した
当然小声で…
...
今一単純な砂垣さんは息を飲んで、じっとテーブルの下に目をやっている
もうすぐアレは真っ赤に染まる…
みんながそんなイメージを浮かべてるだろう
もう、覚悟を決めるしかない…
...
「でも、他の二人は無視ってのは…」
ここでは高本が小声で積田に尋ねた
「フン…、おおかた、あの男達に仕込まれてたんだろう。アンタんとこ、結束してるんじゃなかったのかよ?ユルいな、そっちは」
「こんなトコで嫌み言うなよ!」
「…」
積田と高本は、これ以上言い合いをできる状況ではないと理解してるようだった
「おい、そろそろ仕事の準備できたようだぞ。勘弁してくれって…。本気かよ、あの人達…」
砂垣さんは完全ビビってる
オレだって、ほんまもんのやくざの仕事なんぞ、ナマで見たくねーって
...
「はは…、君たち、どうやら呑み込めたようだな。よし、必要なことだけ付け加えよう。星流会には二人で行ってもらう。君たちグルーうの”両サイド”から代表を1人ずつ出して、仲良くブツを届ける。その際、オレの書状を添えるから、遣いの者は絶対に手出しはされない。さて、それでは君たちには代表者選挙をしてもらうが、もうひとつ決めてもらうことがある。この2匹のうち、どっちの小指をちょん切るか、それをな。時間は5分だ。さあ、かかれ」
なんてこった…!
ヤツら、オレ達ガキを手のひらに乗せ、楽しんでるようだ
だが、嫌とは言えないって
この状況では…
南部
「…我が相和会はだ、都県境の住民とは戦後からずっと仲良くやってきてる。それには、君たちの両親も含まれてるだろう。本来から行けば、この程度の荒らしで大騒ぎはしねえよ。ただしだ、先程Zの店内で暴れた君たちには、店の損壊に見合う損害賠償を払ってもらわんと。一応、看板掲げてる以上、業界に笑われるんでな。了解してもらえるな?」
「あの…、損害賠償って、いったいいくら払えば…、いいんっすかね?」
砂垣さんが、すかさず質問したわ
「500万ってとこだ」
「わー、めちゃくちゃですよ、そんな…。8人で頭割りして分割払いだって払えないですよ。そもそも損壊って言っても、ガラスや食器とかがちょこっと割れただけだと思いますよ!」
「まあ、そんな脂汗たらしてまで熱弁すんな。500万はジョークだよ。こっちの要求は言わば、”この後”、我々が行う仕事の口止めだけだ」
「ふう‥、助かった。じゃあ、みんな、それでいいよな」
砂さんの呼びかけには、全員が無言で頷いた
とりあえず…
だが…
...
「はは、みんな誓ってくれました。ここにいない二人にもちゃんと誓わせます。絶対に口外しないと。それ、オレが誓いますから。では、これで終わりってことで、自分たちは失礼したいんですが…」
「君、何か勘違いしてるぜ。我々はカタギの言葉っての、信用しないんだ。口でベラベラは求めていない。今回は一筆もな」
これには砂垣さんが言葉に詰まって、隣のオレに肘を当ててきた
ふう…、ここでオレにバトンタッチかよ…
...
「じゃあ、オレらには何を要求されるんですか?」
オレはあえて単刀直入に尋ねた
ここにいるみんなが返ってくる答えを待ってるわずかの間、片唾を呑み込む、その妙な音がぎこちなく飛び交った
「…簡単だよ。俺たちの仕事を手伝ってもらえばいい。わずかでも”共犯者”になれば、サツにタレ込んだり人に話したりはしなしな。それから、ここにいない二人は”無視”でいい。その理由は勝手に想像しろ。では、具体的に言うぞ。”届け物”の遣いだ。小学生でもできる」
参った…
こりゃヤバイって…
...
「南部、よかったじゃねーか。遣いだってよ」
「砂さん、安心するのは早いって。連中のこれからの仕事はあのテーブルの下にある道具を使う。血を見るって…!」
小声で話しかけてきた砂垣さんは、オレの答えた意味がすぐわかったようだ
今度は斜め後ろの積田に小声で聞いてる
「積田、じゃあ…、その届け物ってのは…」
「あの二人の指か腕か…。まあ、そんなとこでしょうよ」
積田はオレと同じくすべてを見通したようだ
「そして届け先は星流会ですよ」
オレたち二人は交互に”説明”した
当然小声で…
...
今一単純な砂垣さんは息を飲んで、じっとテーブルの下に目をやっている
もうすぐアレは真っ赤に染まる…
みんながそんなイメージを浮かべてるだろう
もう、覚悟を決めるしかない…
...
「でも、他の二人は無視ってのは…」
ここでは高本が小声で積田に尋ねた
「フン…、おおかた、あの男達に仕込まれてたんだろう。アンタんとこ、結束してるんじゃなかったのかよ?ユルいな、そっちは」
「こんなトコで嫌み言うなよ!」
「…」
積田と高本は、これ以上言い合いをできる状況ではないと理解してるようだった
「おい、そろそろ仕事の準備できたようだぞ。勘弁してくれって…。本気かよ、あの人達…」
砂垣さんは完全ビビってる
オレだって、ほんまもんのやくざの仕事なんぞ、ナマで見たくねーって
...
「はは…、君たち、どうやら呑み込めたようだな。よし、必要なことだけ付け加えよう。星流会には二人で行ってもらう。君たちグルーうの”両サイド”から代表を1人ずつ出して、仲良くブツを届ける。その際、オレの書状を添えるから、遣いの者は絶対に手出しはされない。さて、それでは君たちには代表者選挙をしてもらうが、もうひとつ決めてもらうことがある。この2匹のうち、どっちの小指をちょん切るか、それをな。時間は5分だ。さあ、かかれ」
なんてこった…!
ヤツら、オレ達ガキを手のひらに乗せ、楽しんでるようだ
だが、嫌とは言えないって
この状況では…



