その9
「…まあ、ここ横浜を取り仕切るのは武次郎しかいない。ただ、やりすぎはダメだ。椎名の話しもよく聞いて行動しろ。いいな?」
「ああ、心得てる。彰ちゃんの意見を聞く耳は、他の奴よりえらくデカイ。大丈夫さ」
そう言って武次郎が正面の椎名に目を向けると、二人は思わず笑みをこぼし合った。
「…」
ノボルはなぜか無言で、二人を観察するかのようだったが…。
...
「…オレからはもう一つ提案がある。さっきの相和会や星流会やらの流動性ってことで、東京・埼玉も活動範囲になる可能性が否定できない訳だが、要はこれから、拠点としては地元云々にそう強くこだわらなくてもいいって気がするんだ」
「おいおい、兄貴…。それじゃあ、さっきの地元地盤強化とは矛盾するだろうが。舌の根も乾いてないぜ、今のさっきじゃあ…」
正に武次郎は正論で兄に迫った。
その弟に、兄は丁寧に答えた。
「武次郎、オレがさっき提言したのは、どちらかというと、対外的に威圧感は地元拠点と言うことさ。東龍会との連携の手前、今後を考えれば、やはり若干なりでもココ横浜ではのしてる印象は発信しておかねえとってな。で…、今言った視点はよう、言わば表向き以外のところに”別拠点”を持つべきではという発想だ」
「表向き以外の本拠ってことは、裏基地みたいなもんか?」
「裏となると正確ではないが、勢力地盤オンリーって本拠の前提を取っ払う切り口だな。まあ、アガリのメインは横浜として、活動拠点の基地、平たく言やあ事務所だ。それを横浜以外でも置いとこうって発想さ」
兄弟二人の問答に、椎名とタカハシはじっと聞き入っていた…。
...
「無論、そう急ぐ話ではないが、主な活動エリアが仮に今の東京北部や埼玉、そして地元の横浜近辺ってなれば、その中間に拠点だけでも設けるってプランだわ」
この辺りで、ノボルの言いたいことは3人とも理解に達していた。
「…何しろ、東龍会の本部は東京西部だ。その辺もトータルで考え併せてさ、今からオレ達だけでもそこらを心がけとけば、いざって時は4人の意見を集約しやすいしな…」
「うん、ノボルさんの主旨には納得だ。それで、具体的に、アンタはそうとなったらどこらあたりをその想定としているんだ?」
椎名は敢えて率直に尋ねた。
...
「まあ、今の時点でざっくりなら関東南部ってとこだが、茨城や千葉の突端地では意味ないだろうし。となれば、おのずとなあ…」
「つまり、この横浜から都心部、そこからの北上通過点間ってことで、具体的には賃料のコスト面を考えれば東京都下西部の郊外ってとこですかね?」
今度はタカハシが、かなり具体的にノボルヘ提言した。
「うん…、そんなイメージだな、あくまで現状では。とにかく、地元だけにしがみつく感覚だけはよう、今から排除を心かけてってのが、オレの言わんとするところさ」
3人はこっくりとうなずき、それへの認識を共有するに至った。
チーム大打が東京都下西部H市内、通称サラ金ビルの404号室にビジネス基地を構えるのは、それから数年後のことになる…。
「…まあ、ここ横浜を取り仕切るのは武次郎しかいない。ただ、やりすぎはダメだ。椎名の話しもよく聞いて行動しろ。いいな?」
「ああ、心得てる。彰ちゃんの意見を聞く耳は、他の奴よりえらくデカイ。大丈夫さ」
そう言って武次郎が正面の椎名に目を向けると、二人は思わず笑みをこぼし合った。
「…」
ノボルはなぜか無言で、二人を観察するかのようだったが…。
...
「…オレからはもう一つ提案がある。さっきの相和会や星流会やらの流動性ってことで、東京・埼玉も活動範囲になる可能性が否定できない訳だが、要はこれから、拠点としては地元云々にそう強くこだわらなくてもいいって気がするんだ」
「おいおい、兄貴…。それじゃあ、さっきの地元地盤強化とは矛盾するだろうが。舌の根も乾いてないぜ、今のさっきじゃあ…」
正に武次郎は正論で兄に迫った。
その弟に、兄は丁寧に答えた。
「武次郎、オレがさっき提言したのは、どちらかというと、対外的に威圧感は地元拠点と言うことさ。東龍会との連携の手前、今後を考えれば、やはり若干なりでもココ横浜ではのしてる印象は発信しておかねえとってな。で…、今言った視点はよう、言わば表向き以外のところに”別拠点”を持つべきではという発想だ」
「表向き以外の本拠ってことは、裏基地みたいなもんか?」
「裏となると正確ではないが、勢力地盤オンリーって本拠の前提を取っ払う切り口だな。まあ、アガリのメインは横浜として、活動拠点の基地、平たく言やあ事務所だ。それを横浜以外でも置いとこうって発想さ」
兄弟二人の問答に、椎名とタカハシはじっと聞き入っていた…。
...
「無論、そう急ぐ話ではないが、主な活動エリアが仮に今の東京北部や埼玉、そして地元の横浜近辺ってなれば、その中間に拠点だけでも設けるってプランだわ」
この辺りで、ノボルの言いたいことは3人とも理解に達していた。
「…何しろ、東龍会の本部は東京西部だ。その辺もトータルで考え併せてさ、今からオレ達だけでもそこらを心がけとけば、いざって時は4人の意見を集約しやすいしな…」
「うん、ノボルさんの主旨には納得だ。それで、具体的に、アンタはそうとなったらどこらあたりをその想定としているんだ?」
椎名は敢えて率直に尋ねた。
...
「まあ、今の時点でざっくりなら関東南部ってとこだが、茨城や千葉の突端地では意味ないだろうし。となれば、おのずとなあ…」
「つまり、この横浜から都心部、そこからの北上通過点間ってことで、具体的には賃料のコスト面を考えれば東京都下西部の郊外ってとこですかね?」
今度はタカハシが、かなり具体的にノボルヘ提言した。
「うん…、そんなイメージだな、あくまで現状では。とにかく、地元だけにしがみつく感覚だけはよう、今から排除を心かけてってのが、オレの言わんとするところさ」
3人はこっくりとうなずき、それへの認識を共有するに至った。
チーム大打が東京都下西部H市内、通称サラ金ビルの404号室にビジネス基地を構えるのは、それから数年後のことになる…。



