NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

その8


”オレ達は常識に囚われず、現実的に目的へ邁進するアタマと力を持ち得たモブスターズさ。いみじくも、この席で武次郎が口にしてたしな…(苦笑)”

4人の重役のよるニューイヤー会議は続いていた。

...


「…次に、オレらの拠点であるこの横浜だが、どうだろうか。いずれ、東龍会と連帯をとる我々の器を考えれば、こと地元では少々強気に打って出ていいような気がするが‥」

「じゃあ兄貴…、ライバルとなるグループを制圧するってのか?」

「まあ、そのものズバリは避けて、やんわりとな。まずは、弱小を取りこんで、その敵対に向かってこさせ、そこで自力の違いを見せつけ、パクリってな。そんな構図が無難かなとな…」

「いいねえ…(ニヤケ笑)。せっかくやくざの大手とはラブラブになったんだ、オレ達はよう。となれば、地元くらい、勢力は拡大しなきゃあなあ…。オレは大賛成だ。椎名とタカハシはどうだよ?」

武次郎は思わぬ兄ノボルのイケイケ路線を丸呑みで歓迎した。

”この際、ここで他の二人から同意を得て、行動方針を決めちまえ…”

彼の考えは単純明快だった。


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「まあ、方針としてはそれでいいと思う。だが、あまり露骨なアクションは返って弱小からも反感を買う恐れがあるし、あくまでソフトランディングでないと…。ノボルさんが言ったように、狙いどころのグループにはこちらから攻めるのではなく、追いこみで向こうから手を出させるようにし向けるのが得策だ。いや、今はそのあたりで留めておくべきだと思う」

「椎名はまあ、兄貴の言う仕掛けならだ、ソフトタッチってことで賛成という訳だな。じゃあ、タカハシの意見を聞こう」

こういう時の武次郎は矢次早だ。

「うーん、オレはまだ大打グループのこれまでとか、現状の立ち位置とかは十分把握していないんで、言は控えたいっすね。すいませんが」

「ハハハ…。タカハシの見解はもっともさ、武次郎」

ノボルは珍しく大笑いしてしまった。

「ああ、そうだな。じゃあ、兄貴の方針に反対まではしないってことで受け取る。なら、3人の賛成、決定で構わないな?」

「それで構いませんよ、自分は」

タカハシの返答はあっさりとだった。

”うん…、いいぜ、この4人体制は。まさにオレ達はギラギラのモブスターズだ。とびっきりの”

この思いは、総じてこの場の4人が共通して持ちえた皮膚感だったようだ…。

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禁酒法時代のアメリカ…。
イタリアンマフィアの伝統にこだわらず、ユダヤ系ギャングと共に古い概念をブラッシュアップし、その後のシンジケート組織を確立してアメリカ軍産複合体を牛耳った、ラッキー・ルチアーノ、フランク・コステロ、マイヤー・ランスキー、ベンジャミン・”バグジー”・シーゲルという4人のギャング。

ノボルは自分たち4人を、若き日の彼らが躍動したモブスターズロードと重ね合わせていた…。