その6
ノボルはその理由について、端的に説明した。
「もっとも、今追っかけてるバグジーや他のスカウト対象が浮上すれば、そっちの動きは優先する。だが、せっかくタカハシがオレのストックから拾い上げてくれたネタ元経由で、店舗の管理まで拾い上げてくれたんだ。それによって、”よそ様の敷地”にまで拠点を敷く口実も得たわけだしな…」
椎名と武次郎はほぼ同時に、正面に座していたタカハシに目をやった。
「…星流会が食いこもうとしてる連中とも、特段の利害関係なしで自然に付合いができる環境となれば、この際、少しでも早い時期に直接オレが連中とも接しておきたいと考えた」
「それ…、あくまでグループのリーダー格だと、素性を明かしてですね?」
椎名はひとつひとつ、ノボルの真意を確かめるような聞きぶりだった。
...
「そうだ。何もこと荒立てて向きあおうってんじゃねえし、あちらさんだって、こっちが縄張の侵攻だとは受け取ってはいないんだろう?」
「ええ‥。星流会には、あくまでも東龍会が申し添えてもらってますが、あくまで横浜の権野組のラインからってことで、ガキの我々を繋いでくれてるんで。星流会の諸星会長も、言わば同じ東龍会系列下という同列関係がありますから…。こっちの進駐はその大義の元、星流会からの庇護を受けてるようなもんです。御手洗も今のところ、トラブルのタネは皆無と言ってますし」
「よし。それなら問題はない。当分はよそ行きの顔で親交を持っておいて損にならんだろう。それに…、これからの局面次第では、あのエリアでのガキを挟む行動となれば、それは東龍会の傘下による間接的関与ってことにもなるんだ。その時点でパートナーポジションのオレ達も、場合によっては将来的にどん臭連中ともだ、どういう関係で対峙するか知れんだろうよ。だろう?」
ノボルはここで3人に視線を順送りした。
すると、まずは武次郎がいかにもな反応を示した。
「なるほど…。東京埼玉県境が、東龍会と我々が組んだ”活動の場”ってのもあり得るってことか…」
武次郎は目を輝かせていた。
...
「まあ、あそこの地域がどういう状況に動くかってのはよう、あらゆる可能性がありそうだし、椎名の言う通り、今はじっと視察・観察ってことでいいだろ。要はどんな局面にも対応可能な日常の備え、それをしっかりってことに行きつく」
「その通りです!ノボルさん、アンタは時間が許す限り、星流会エリアには足を運んで、あの地域にはつながりを維持すべきだ。極めてさりげなくってことで…」
ここでタカハシは強く主張した。
さらに…。
「…それに、まあ仮に、もしもですよ…。”ある時期”が到来して、星流会といういわば子会社の頭越しで、あの都県境地区を東龍会が直にガキ市場構築へと乗りだせば、当然、我々が彼らのパートナーとして出張ることになる。そうなれば、独立系の相和会とぶつかる可能性は極めて高い。そんな想定も織り込んで、今からあの地での、”縁”と”カン”を培うことは重要だと思います」
”相和会…!”
タカハシが口にしたその言葉を、他の3人は無言で叫んでいた…。
ノボルはその理由について、端的に説明した。
「もっとも、今追っかけてるバグジーや他のスカウト対象が浮上すれば、そっちの動きは優先する。だが、せっかくタカハシがオレのストックから拾い上げてくれたネタ元経由で、店舗の管理まで拾い上げてくれたんだ。それによって、”よそ様の敷地”にまで拠点を敷く口実も得たわけだしな…」
椎名と武次郎はほぼ同時に、正面に座していたタカハシに目をやった。
「…星流会が食いこもうとしてる連中とも、特段の利害関係なしで自然に付合いができる環境となれば、この際、少しでも早い時期に直接オレが連中とも接しておきたいと考えた」
「それ…、あくまでグループのリーダー格だと、素性を明かしてですね?」
椎名はひとつひとつ、ノボルの真意を確かめるような聞きぶりだった。
...
「そうだ。何もこと荒立てて向きあおうってんじゃねえし、あちらさんだって、こっちが縄張の侵攻だとは受け取ってはいないんだろう?」
「ええ‥。星流会には、あくまでも東龍会が申し添えてもらってますが、あくまで横浜の権野組のラインからってことで、ガキの我々を繋いでくれてるんで。星流会の諸星会長も、言わば同じ東龍会系列下という同列関係がありますから…。こっちの進駐はその大義の元、星流会からの庇護を受けてるようなもんです。御手洗も今のところ、トラブルのタネは皆無と言ってますし」
「よし。それなら問題はない。当分はよそ行きの顔で親交を持っておいて損にならんだろう。それに…、これからの局面次第では、あのエリアでのガキを挟む行動となれば、それは東龍会の傘下による間接的関与ってことにもなるんだ。その時点でパートナーポジションのオレ達も、場合によっては将来的にどん臭連中ともだ、どういう関係で対峙するか知れんだろうよ。だろう?」
ノボルはここで3人に視線を順送りした。
すると、まずは武次郎がいかにもな反応を示した。
「なるほど…。東京埼玉県境が、東龍会と我々が組んだ”活動の場”ってのもあり得るってことか…」
武次郎は目を輝かせていた。
...
「まあ、あそこの地域がどういう状況に動くかってのはよう、あらゆる可能性がありそうだし、椎名の言う通り、今はじっと視察・観察ってことでいいだろ。要はどんな局面にも対応可能な日常の備え、それをしっかりってことに行きつく」
「その通りです!ノボルさん、アンタは時間が許す限り、星流会エリアには足を運んで、あの地域にはつながりを維持すべきだ。極めてさりげなくってことで…」
ここでタカハシは強く主張した。
さらに…。
「…それに、まあ仮に、もしもですよ…。”ある時期”が到来して、星流会といういわば子会社の頭越しで、あの都県境地区を東龍会が直にガキ市場構築へと乗りだせば、当然、我々が彼らのパートナーとして出張ることになる。そうなれば、独立系の相和会とぶつかる可能性は極めて高い。そんな想定も織り込んで、今からあの地での、”縁”と”カン”を培うことは重要だと思います」
”相和会…!”
タカハシが口にしたその言葉を、他の3人は無言で叫んでいた…。



