NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

その4


「…三貫野、オレのマンストックを活かしてくれて礼を言う。嬉しい…」

「ノボルさん…」

”冗談抜きで嬉しいって。こんな早く点と点を結んでくれたこの三貫野には心から感謝するし、敬意を表す”

これは、大打ノボルの偽らざる本心であった。

”ノボルさんは本当に喜んでくれてる…。ミチロウが紡ぎだした成果は、オレ達も無にはできない。武次郎にはそこをよく説かないとな…”

三貫野の”成果”をすでに本人から知らされていた椎名は、”それ”を彼がノボルに告げる光景を目にして、感慨に浸っていた。

”現実…、ミチロウの導いた成果は、敢然と我々にメリットをもたらしている。何と言っても、東京北部埼玉県境のエリアで、早々と”店舗管理”を4件も抱えられたんだ。これを以って、ハマから進駐した根拠と動機が得られた。それを紡ぎ出したのが、ノボルさんと三貫野のマンストックの付合点だったんだ…。この手法は今後、大打グループの大きな武器になる…”

椎名のこの予見は、以降の大打グループ暗躍の過程で見事、その的中を見る…。

...


「三貫野…、ここで”タカハシ”を皆にも披露しておきたい。いいか?」

「ええ、構いませんよ」

ノボルの打診に三貫野ミチロウはさらりと即答した。

”心の準備はすでに整っているようだな。なら、さっそくだ…”

ノボルは斜め前方の席に着いている椎名に目配せした。
それを察した椎名は、その場に立ち上がると、皆に向かって切り出した…。

...


「みんな、ちょっと聞いてくれ。ここでノボルさんから報告がある。…ノボルさん、どうぞ」

ノボルは席上をざっと見まわし、皆の視線が自分に向けられたことを確かめると、座ったまま口を開いた。

「…ここにいる同志には周知のことではあろうが、改めてオレから伝えたい。あくまで中長期のスタンスながら、東龍会とのパートナーシップ締結を、今般、坂内会長と熊本で会って合意を交わした」

”パチパチパチ…”

ここではまことに規律正しい、歯切れのいい拍手が力強く響いた。

”よし…、タカハシ登場の舞台設定はスタンバったな”

ノボルは左隣にはあえて目を向けず、さらに淡々とした口調で続けた…。