本インチャプターのあらすじ⤵
大打グループの東京埼玉都県先駐留は既に、この時点で方針付けされていた。程なくして、偵察と潜入の元、彼らは相和会のお膝もとにたどり着く。かくて、熱き猛る女たちとのボーダーレスはすでにレールが敷かれるのであったが…。
*********************************
大打ノボル、最終選択点”殺人コーディネート”に到達す…!
悪の研鑽①
東龍会との中長期協定を視野にリーダー大打ノボルが早くも次の行動に入ったことを受け、大打グループの根拠地である横浜でも、椎名彰利が今後のグループ行動方針を模索していた。
そしてその日の夕方…。
横浜某区の大打兄弟が住んでいるアパートの部屋では、椎名と大打武次郎によるミーティングが持たれていた。
「…じゃあ彰利、三貫野ミチロウからの報告では、兄貴、接触できたってんだな?」
「ああ…。さすがのノボルさんも”秒殺オオカミ”が実在したことをその目で確かめたんで、その第一報は興奮気味だったらしい(笑)」
「そうか…。それで、どうなんだ、そのオオカミ。こっちのスカウトに乗りそうなのか?」
「ノボルさん、主旨はストレートにぶつけたらしいが、即答は得られなかったそうだ」
「やはり慎重姿勢は簡単に崩せんだろう。そもそも雇うと言っても、こっちは即仕事を用意してる訳じゃあないし。まだ先の話だがどうだってとこじゃ、オファーを受ける方もなあ…」
思わず二人は苦笑いで向きあった。
これは、グループの主だった者には共通した認識であり、ノボルの行動はまだ早いだろうというのが皆の本音でもあったのだ。
...
「そこでミチロウはさ、当面つなぎの仕事は必要だろうってな。まずは軽いミッションを幾つか…。向こうの手並みも最低限確認できるし」
「そうだな。だが、兄貴は何て言ってんだ?」
「うん…、ノボルさん、オオカミがさぞ気に入ったそうでな(苦笑)。まずは仕事ってことより、こっちのビジョンの理解に重点を置いて丁寧に説明を繰り返してるらしいんだ。今回は雇いと言っても、ビップ待遇で処すべき男と据えてるんで、双方のしっかりした信頼感を優先させたいと…」
「うーん、でもどうなんだろうか…。所詮、どこの馬の骨ともわからないヤロウによう、今の段階でこっちのハラをベラベラってのも…。あっちは本名も名乗ってねーんだろうが?」
椎名は大きく頷いていた。
...
「ミチロウもそこを指摘してたよ。だが、ノボルさんは東龍会の名は伏せながらも、実際のロードはあらかた話したそうだ。まあ、それは賭けでもあるが、ノボルさんに任せるしかないだろ」
「そういうことになるか…、どうしても」
二人は同時に小さくため息を漏らした。
その意味するところは、慎重このかたないと自他ともに認める大打ノボルと言う人間が、横浜を発ってから猪突猛進気味にシフトしていることへの違和感だった。
”だが、決して彼への不信感ではない…”
確かに二人は、この時点、こんな気持ちは胸の内に宿していた。
確かに…。
大打グループの東京埼玉都県先駐留は既に、この時点で方針付けされていた。程なくして、偵察と潜入の元、彼らは相和会のお膝もとにたどり着く。かくて、熱き猛る女たちとのボーダーレスはすでにレールが敷かれるのであったが…。
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大打ノボル、最終選択点”殺人コーディネート”に到達す…!
悪の研鑽①
東龍会との中長期協定を視野にリーダー大打ノボルが早くも次の行動に入ったことを受け、大打グループの根拠地である横浜でも、椎名彰利が今後のグループ行動方針を模索していた。
そしてその日の夕方…。
横浜某区の大打兄弟が住んでいるアパートの部屋では、椎名と大打武次郎によるミーティングが持たれていた。
「…じゃあ彰利、三貫野ミチロウからの報告では、兄貴、接触できたってんだな?」
「ああ…。さすがのノボルさんも”秒殺オオカミ”が実在したことをその目で確かめたんで、その第一報は興奮気味だったらしい(笑)」
「そうか…。それで、どうなんだ、そのオオカミ。こっちのスカウトに乗りそうなのか?」
「ノボルさん、主旨はストレートにぶつけたらしいが、即答は得られなかったそうだ」
「やはり慎重姿勢は簡単に崩せんだろう。そもそも雇うと言っても、こっちは即仕事を用意してる訳じゃあないし。まだ先の話だがどうだってとこじゃ、オファーを受ける方もなあ…」
思わず二人は苦笑いで向きあった。
これは、グループの主だった者には共通した認識であり、ノボルの行動はまだ早いだろうというのが皆の本音でもあったのだ。
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「そこでミチロウはさ、当面つなぎの仕事は必要だろうってな。まずは軽いミッションを幾つか…。向こうの手並みも最低限確認できるし」
「そうだな。だが、兄貴は何て言ってんだ?」
「うん…、ノボルさん、オオカミがさぞ気に入ったそうでな(苦笑)。まずは仕事ってことより、こっちのビジョンの理解に重点を置いて丁寧に説明を繰り返してるらしいんだ。今回は雇いと言っても、ビップ待遇で処すべき男と据えてるんで、双方のしっかりした信頼感を優先させたいと…」
「うーん、でもどうなんだろうか…。所詮、どこの馬の骨ともわからないヤロウによう、今の段階でこっちのハラをベラベラってのも…。あっちは本名も名乗ってねーんだろうが?」
椎名は大きく頷いていた。
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「ミチロウもそこを指摘してたよ。だが、ノボルさんは東龍会の名は伏せながらも、実際のロードはあらかた話したそうだ。まあ、それは賭けでもあるが、ノボルさんに任せるしかないだろ」
「そういうことになるか…、どうしても」
二人は同時に小さくため息を漏らした。
その意味するところは、慎重このかたないと自他ともに認める大打ノボルと言う人間が、横浜を発ってから猪突猛進気味にシフトしていることへの違和感だった。
”だが、決して彼への不信感ではない…”
確かに二人は、この時点、こんな気持ちは胸の内に宿していた。
確かに…。