NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

ヒットマンを求めて、北海道へ④



「一つ聞かせてくれ、参考までに…。お前、その夫人とはアレの関係なかったんだろう?なのに、なんでそんなヤバいことまで教えてくれるんだよ。ダンナには口止めされてたんだろう?」

ここでノボルは思わず身を乗り出した。
これは三貫野への好奇心というよりも、何としても解きたい疑問と言えた。

”オレにないものを持っている三貫野を、これからのオレ達が走るロードでフルに使いこなすには、ダーティードライの内面を覗かせずソフトな上っ面でとことんまでたぶらかせる、そこの根底を捉えておきたい…”

大打ノボルはまさに、心の中でその欲求に駆られていた。
それに反応したのか、目の前の紳士はやや脂ぎった表情を見せ、本心をさらけ出すのだった…。
それは、ノボルのからの疑問を真っ向から受けた誠意だったと言えまいか…。

...


”カメレオン…⁉”

今耳にした、三貫野のあからさまな”告白”とも”宣言”ともとれる言葉に、ノボルは純粋な衝撃を覚えた…。

「フフフ…、体の関係などナシですよ、当然。で…、ノボルさんのなんでなんだよー!には、こう答えましょう。このブティック店主としてのオレは、なんちゃって懺悔室の世俗系神父さんに変身できるんです。いや…、ある時はモグリの産婦人科医あっせん人、ある時は秘密厳守など口先だけのいかさま探偵…。その時その時で、お客様の”求める”仮の姿に、何の躊躇もなくヘンシンできるカメレオンを通しているんです」

「???…」

「ええと、このAさんの時は…、ああ、こういう言うセリフで落としましたね。”いつか僕もそのナゾの人物に接触して、アバンチュールを体験してきます。もし生還できたら、どこかワインのうまい店で告白しますよ。もちろん、お客様と自分、二人きりの秘密ごととして…”、と…」

ここでは一転、ノボルはもう腹を抱えて大笑いとなった。
疑問という名の泡は、三貫野が予想外の気前よさでポンと栓を抜き、一気に吹き出し、そして溶けた…。
わずかの間に…。

それは、二人の間にわずかながら燻りたまっていたガスが消散した現象だったのかも知れない。


...


”何年ぶりだ、こんなにも開けっぴろげに笑えたのは…。よし!腹は決まった…”

「北海道へ行く気になったんですね、ノボルさん…!」

「ああ、”秒殺オオカミ”を求めてスカウトの途に着くぞ」

ノボルの決断を即察した三貫野はかく尋ねた。
そして、それを受けた大打ノボルも即決だった…。