NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。

大打ノボルの秘められた黒い意思/運命の舞台、九州へ
ブラック&スマート!痛快な絵図⑥



その翌日午後には、御園から球磨黒組の”了解”がノボルの元に届けられた。

夜7時過ぎ…。
居候先ブのティック従業員である大胡みゆきが店を出た後、ブティック内のノボルの”部屋”に三貫野が到着すると、二人は早速ミーティングを開いた。

「…御園さんは即だったよ。組の了解もとれたってことでな。横浜からは、権田組経由で東龍会にも”暗黙”はもらえたそうだし。さあ、三貫野、かかろうぜ」

「はは…、ノボルさんはせっかちなんだろうが、地に足がついてる感は並みじゃあない。まだ会って数日だが、アンタの芯はだいぶ見えてきたから、ベースは慎重派だってことはわかってます。でも、一応念を押させてもらいますよ。我々が向きあう相手は、戦後ずっと、この国の反社勢力を仕切ってる連中です。結果がすべて。ヘタを一度打ったら取り返しがつかない…」

「わかってる」

ノボルの返事は事務的ではあったが、内心、三貫野の言わんとするところをこれでもかとかみ砕いていた…。

...


「…女の高跳びは椎名と段取り付けましたんで、”行動”の後はすぐ飛ばせます。南洲一心会が番してるゼリアーノからのトンズラと女のアパート詰めはオレの仲間が万事うまくやれる」

「要は、オレが具体的に動くのは、当日の女の輸送だけってことでいいんだな?」

「そうなるが、実際はその後の身のこなしが重要になってきますので…。なにしろ、素性も明らかでないよそ者のシロートが、球磨黒のお先棒を担いで裏工作って一新会に受け取られれば、やくざがコケにされたことになります。あっちサイドだって、所詮は親筋からの誘導だって承知はしていても、やはりしこりゼロとはいかんでしょうし、こっちにはケジメを迫る…」

「どうする?一新会側にもこっちから事前にアイサツかましてやるか?」

ここで三貫野は例の吹き出すような苦笑いをこれあきれずといった様で、ぷっと吐き漏らした。

...


「フフ…、そんな発想をさらっと口に出せるアンタにはセンスを感じるますよ。…ノボルさん、こういった局面はこれから幾多出くわす。いいですか、一番に重点を置くべきは、リアルタイムのトータル判断ですよ」

「今一、抽象的でわからないな」

ノボルはストレートに問い返した。

「平たく言えば政治家の権力闘争、政局での世渡りってとこです。モアベターで当面を乗り越える…。フルでのベストは常にないですから。ほどほどの得をとれるところの見極めで身を泳がす。極論は引くテクニックです」

「引き際の判断、身のこなしか…」

「その際の肝は、引くではあっても逃げではないって点です。その為には、極めてリアルタイムの正確な情報を得続ける…。これがモノを言います。この循環を常にハイレベルでキープしていけるかなんですが…。じゃあ、今回で行きましょう」

二人は”本題”に入った…。